一番は、ポイントの共通化です。クレジットカードを子会社のほうで発行していますが、そのクレジットカードで買ったポイントもヨドバシのポイントになる。それはネットでも使えるし、実際の店でも使える。一つはそういったポイントの戦略があります。
オンラインtoオフラインというキーワードでいったとき、一番ユーザーさんに使っていただいているのは店の在庫の検索です。どこでもある商品もありますが、カメラなど全店にあるわけではない商品もあります。来店いただく前に、どの店に在庫があるかオンラインで確認してご来店いただく。さらに、取り置きもできますので、忙しい方で週末しか行けないが品薄の商品をラスト1つをキープしてほしい、という場合にも使っていただけます。
もうひとつ、オフラインtoオンラインというところでいくと、いま目指しているのは、オフラインとオンラインの境目をなくそうということです。要は、「店の中で注文してもらってもいいよ」という環境を整えようと。
説明を店舗で聞いてネットで注文、ということでもうちはかまわないのです。ぜひともアプリを使っていただいて、ワンタッチで買えますので(笑)
店にいくと、バーコードが商品にすべて付いています。アプリを使ってピッとスキャンしてその場で注文していただければ、当日商品が届く。例えば、日曜日に出かけに行く前にちょっと寄ってもらって注文してもらえれば、家に帰って食事しているところに届くというわけです。
お客様から、こんなエピソードを伺いました。買い物に行こうと向かう電車の中で在庫を調べていて、注文できることに気がついた。結局新宿にいって寄るつもりだったけど、店舗に寄らないで食事して帰っちゃったよ。「電車に乗って、何で新宿に来たんだっけ?」と(笑)。それもオフラインtoオンラインかもしれません。時間を有効に使っていただければいいと思いますし、今後もそういう笑い話みたいなことが増えていくかもしれません。
価格競争が厳しいのは昔からで、特に最近ということはありません。ただ、スマートフォンによってそれが表面化してきたのかもしれませんね。
パソコン時代は、パソコンで検索してそれを頭に入れて来店していた。今は、店内でスマートフォンで検索する方が増えてきているので、目立つのかもしれません。買い物の仕方としては、基本的にはそれほど変わっていないんじゃないかと思います。
われわれは、スマートフォンを使う方が増えてきたので、ではバーコードを付けよう。そのほうがお客様には便利だろうと。他と価格比較もできますし、それでお客様が納得して買っていただければいい。あそこのほうが安いんじゃないか、高いんじゃないかと思いながら腕を組んで悩むよりは、その場でスカッと解決していただいたほうがいいと思っています。
もちろん、そこにいくまでには議論があって、(バーコードにすると)ほかのアプリでも使えてしまう。うちのアプリでしか読めない独自のバーコードにしたほうがいいんじゃないかということも考えました。技術的には可能ですから。でも、お客様にとってどちらがいいのかと考えたら、望まれるなら価格比較ができたほうがいいだろうと、いまのスタイルにさせていただきました。
そこまで驕るつもりはありません。正しい情報をフィードバックしてお客様に合わせて動いていくというのが基本ですから。
今のPOS会計というのがなくなるわけではないと思いますが、徐々にそういう方向へ買い物の仕方が変わっていく可能性はありますよね。端末をかざすだけで、値段も出てきて詳細もでてくる──。そうすると、店作りも変わってくると思います。値札もいらなくなってくるかもしれない。
社内では、オンライン/オフラインという切り分けを実はまったくしていません。どちらか一方だけで使っているお客様はあまりいらっしゃらない。特に、オンラインだけを使っていらっしゃるお客様はあまりいらっしゃらない。ということは、それを区分けするとお客様に対して失礼だろうと。できるだけマージして、お客様から見たらヨドバシはオンラインの会社だったっけな、それとも通常の店舗だったっけな、だんだん頭の中でごっちゃになっていただけるとありがたい。
店に行こうかネットで買おうか。いずれにしてもヨドバシで買おう、と思ってもらえるとありがたい。いつでもどこでも利用してもらって、その時々によって使い分けてもらうのがうちの目指すところです。
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