オフラインとオンラインの境目をなくせ--ヨドバシカメラ副社長に聞くO2O戦略

坂本純子 (編集部)2013年03月28日 08時00分
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 2月にインターネット通販サイト「ヨドバシ・ドットコム」の品揃えを拡充したヨドバシカメラ。新たに「配達料金無料でご注文当日お届け」サービスの対象に書籍、日用品なども追加した。ペン1本、書籍1冊でも送料無料な上、商品や場所によっては当日配送も可能だ。さらに、リアル店舗でも使える3%のポイントが付くとあって、本格的にアマゾンに対抗かと話題となった。

 ネット販売に力を入れる一方で、ヨドバシカメラは日本全国に21店舗を所有している。ヨドバシカメラにおけるOnline to Offline(O2O)の施策はなにか。ヨドバシカメラ副社長の藤沢和則氏に話を聞いた。

--ネット通販を拡充した反響はどうでしょうか。

書籍や日用品にも力を入れ始めた「ヨドバシ・ドットコム」
書籍や日用品にも力を入れ始めた「ヨドバシ・ドットコム」

 最初としてはまぁまぁ順調な出だしでしょうか。想像以上といえば想像以上。お客様の期待が大きいなという印象です。気合いをいれてやらないといけないなと。

--どんなところに期待を寄せられているのでしょうか。

 品揃えの数ですね。配送スピードはかなりご満足いただけているようですが、品揃えはまだ少ないと。後は機能的な部分で、予約や雑誌の発売日に届くようにしてほしいといった声があります。品揃えも、スタートから2週間で10万点ぐらい増えていますが、お客様のニーズが分かってきたので今後も対応していきます。

--拡充してみて、売上げはどうでしょうか。

 お話できる状況にはありませんが、でもなんとか商売にはなるかなというレベルですね。まだ諸手を挙げて喜べるような状況ではありませんが。

--人気のあるアイテムは?

 もともとやっていたこともあって、コミックやカメラ、コンピュータ、ゲーム関係の書籍はすごく伸びています。あとは雑誌ですね。売上げの8割ぐらいは一般書籍です。残りがコミック、あとはゲームという格好になってきます。伸び率からいくと一般書籍が多くて、中身はバリエーションもかなり幅広いです。

 雑誌は売れないだろうと思っていたんです。ところが、雑誌や絵本、子ども向けのものが意外と伸びている。一方で、もっとビジネス書は売れると思っていましたが、想定ほどじゃない。専門書はあまり売れてませんが、一部の専門書は売れていたりという状況です。全体としてはうまく立ち上がっているんじゃないかと思っていますが、これからも品揃えを改善していきます。

--今回、書籍を大幅に拡充した背景は?

 お客様から、本をやってくれという声が一番多かったのと、検索される方が多かったからです。検索していただいても、(これまでは)当然結果は出てきません。中でも一番コミックの検索が多かったので、コミックをやりますと言ったら、今度は通常の本の検索が増えた。じゃあこれはやっぱり本もやっていったほうがいいだろうな、という流れで進みました。お客様も、関連で想像するものがあるんだと思うんですね。これもあったらこれもあるんじゃないか──というような。

--今回、書籍や日用品を拡大したことで、アマゾンや楽天対抗ではないかという見方もあるようです。

 そういう意識はほとんどないんですよね。やるからにはちゃんと品揃えも拡大していかないと、お客様にも買っていただけないし、そんなにハイペースではないですが、新しい商品も順次追加していこうと思っています。

--すべて送料無料というのもヨドバシ・ドットコムの一つの特長だと思いますが、一方でアマゾンは、低価格商品の無料化を止め、一部を「あわせ買い」といった方向に転換しているようです。

 送料無料は、2011年の夏ぐらいから続いています。うちはもともと、アマゾンより前から送料無料をやっていた時期があったんです。2003年から2007年ぐらいまで送料無料だった時期があって、その後有料にしたらアマゾンが無料になった。もともと、送料無料をしていた過去のデータ蓄積もあります。お客様の買い方ベースでやっているので、それ以上は申し上げられないのですが、たくさん使ってもらってナンボという計算の中で、ビジネスロジックができている部分があります。また、うちの場合は自社配送もやっているのも影響しています。

--品揃え以外に強化していくところは?

 立ち読み機能などはまだないので、がんばってつくります。お客様にとって必要なところはどんどん追加していこうと思っています。検索機能のヒットを使いやすく、というところに注力はしていますが、ほかの機能については順次追加していきたいと思っています。あまり先のことは言わない会社なので、出来上がった段階でご案内させてください(笑)

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