筆者が試用したローエンドのFirefox OS搭載電話(「Geeksphone Keon」と「ZTE Open」)では、タッチ操作の反応が幾分鈍く、正確なタイピングが困難だった。この原因の何割がハードウェアによるもので、何割がソフトウェアによるものなのかは不明だ。しかしこれらは安価な携帯電話である。より高性能な「Geeksphone Peak」では、スワイプやスクロール、タイピングはもっと快適に動作した。
Firefox OSには、FacebookやWikipediaなどのさまざまなアプリが内蔵されている。そしてNokiaの「Here」は地図サービスを提供する。ホームボタンを長押しするとタスクスイッチャーが起動し、開いているアプリを次々に切り替えられる。
連絡先アプリを起動すると、ユーザーの知り合いに関する情報でいっぱいのスクリーンが表示される。同アプリは、それらの知り合いに電話をかけたり、電子メールやテキストメッセージを送信したり、彼らのFacebookウォールをチェックしたりするためのハブとして機能する。Facebook統合により、連絡先をインポートすることもできる。Mozillaは「Gmail」や「Yahoo Mail」「Hotmail」などのサービスについてもインポート機能を追加する予定だ。MozillaはPC向け電子メールソフトウェア「Thunderbird」を開発しているので、そうしたことを実現する方法には詳しい。
ロックスクリーンからもアクセス可能なカメラアプリには、写真または動画を撮影するためのタブが設けられている。また、内蔵のギャラリーアプリへのリンクも用意されている。ギャラリーアプリでは、写真のクロップや基本的なカラーフィルタの適用、コントラストの調節、さらにFacebook上やBluetoothワイヤレスネットワーキング経由での写真の共有などができる。
Firefox OSを使っていると、「Android」の初期バージョンを思い出した。つまりFirefox OSは幾分扱いにくく粗削りで、機能やアプリが不足している。同OSは進化の途上にあり、ハードウェアの発展から恩恵を得ていくだろう。そしてMozillaは、大きな問題を埋め合わせることのできる利点をいくつか有している。
Firefox OSが非常に大勢のウェブプログラマーを動員することによって、アプリエコシステムで有利なスタートを切れるのはとても良いことだ。それらのプログラマーは、Appleの「App Store」や「Google Play」に比べるとはるかに制約の少ない環境でFirefox OSの顧客との接点を持てることを嬉しく思うかもしれない。
MozillaはFirefox OSを市場に投入する上で欠かせないパートナーを多く集めてきた。だが彼らがまずターゲットとするのは、現状ではAndroidやiOSが手の届かない贅沢品となっている発展途上市場だ。そうした携帯電話の第1弾は2013年第2四半期に登場予定である。ハイエンドのFirefox OSデバイスが米国に登場するのは2014年になると見込まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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