スペイン、バルセロナ発--Mozillaの最高経営責任者(CEO)であるChief Executive Gary Kovacs氏は現地時間2月26日、新しい「Firefox OS」を売り込む演説の中で、今後5年間のうちに20億人が新たにインターネットに接続することを考えると、新しいモバイルOSが存在する余地は大いにあると述べた。
Kovacs氏は当地開催のMobile World Congress(MWC)ショーで数千人の観衆を前に講演を行い、スマートフォン市場を先導してきたのはAppleとGoogleだが、両社ですべてを網羅することはできないと語った。ただし、同氏はそれらの企業の名前は出さなかった。
Kovacs氏は、「1社、2社、または5社の企業が30億、40億、50億、または60億人の多様なニーズを満たすだろう、という考えを私は理解できない。たとえそれらの企業がどれだけ優秀であったとしてもだ」と述べた。「インドの田園地帯で農業を営む人が、ニューヨークの弁護士と同じニーズと要件を持つだろうか」(Kovacs氏)
ただし、Mozillaの前には巨大な試練が待ち構えている。Mozillaに有利に働いているのは、FirefoxがブラウザベースのOSだということだ。つまり、Mozillaがアプリを記述する大勢のプログラマーを集結させなくても、Facebookなどのウェブアプリケーションは既に同OSで動作する。
しかし、そうした有利なスタートにも制約はある。モバイルブラウザでは、多くの静的なウェブページでさえも快適に動作しない。動的なウェブアプリを作るのは、それよりもはるかに難しい。ハードウェアアクセラレーションによる3Dグラフィックスといった新しいテクノロジは、有利に働くだろう。Mozillaはそれらの標準を進化させ、ほかのモバイルブラウザに広める取り組みを積極的に行っている。
Mozillaは世界中の通信キャリア18社に加え、LG Electronics、Huawei(ファーウェイ)、ZTE、Alcatel、Geeksphoneなどのハンドセットメーカーを含む堅実なFirefox OSパートナーリストを構築している。それらのパートナーはFirefox OSを第2四半期に発展途上市場へ、そして2014年に米国へ投入する予定だ。
iOSとAndroidのアプリ開発および配信エコシステムは強力だが、Kovacs氏はその強みに対抗するために、「そのためにウェブはある」というスローガンを立てた。同氏は、多くのモバイルアプリは単純に既にウェブで公開されているデータを再パッケージするだけだと述べ、その一例として、近くのレストランを検索してレビューをチェックし、メニューを閲覧して予約することを挙げた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス