スペイン、バルセロナ発--「Firefox OS」が本当に登場した。しかも動作する。
Mozillaのブラウザベースの携帯電話テクノロジであるFirefox OSは、新興市場にとっての信頼できる選択肢で、第2四半期にまずそれらの市場で提供開始される予定だ。MozillaはMobile World Congress(MWC)ショーで、Firefox OSがどれほど快適に動作するのかを知りたがっている700人の聴衆を前に同OSを初公開した。
モバイルに精通した聴衆が出した答えは、十分な快適さではない、というものだった。裕福な顧客を相手にした場合、Firefox OSはモバイル市場の二大巨頭であるGoogleの「Android」とAppleの「iOS」に対抗するのに苦労するだろう。
MozillaはFirefox OSで、ライバルたちがローエンドスマートフォン市場に進出するよりも速く、自らのソフトウェアを改善して開発者とパートナーを惹きつける競争を繰り広げている。主要パートナーであるTelefonicaやDeutsche Telekom、Telenor、China Mobile(中国移動通信)などは、依然としてフィーチャーフォンが支配している世界中のさまざまな市場にFirefox OSを広めるのを支援するだろう。
Firefox OSの画面は、AndroidやiOSを使った経験のある人ならなじみやすいものだ。電源を入れると、アプリが格子状に配置された見慣れた画面が表示される。左や右にスワイプすると、アプリが並ぶほかのページに移動できる。そして各ページの一番下には、電話ダイヤラー、テキストメッセージングアプリ、「Firefox」ブラウザ、カメラアプリの4つのアプリが常時表示される。
iOSと同様に、スワイプジェスチャーで一番左のスクリーンまで進むと、検索アプリが起動する。しかしiOSと違って、この検索アプリはユーザー自身のアプリ群だけでなく、「Firefox Marketplace」およびウェブ全体ともつながっている。これがウェブベースのOSだということを思い出してほしい。検索結果の中に気に入ったアプリがあったら、次回から簡単にアクセスできるようにスクリーンの1つにピン留めしておくことができる。
Firefox OSはFirefoxのブラウザエンジンでアプリを実行する。Javaのような中間層を持つAndroidよりも、このアプローチの方がローエンドの携帯電話ハードウェアから多くの性能を引き出すことができるだろう、とMozillaは断言している。MozillaのいちおしのデモはZeptoLabの「Cut the Rope」のウェブバージョンだった。実際にこのゲームは、プレーヤーのタッチ操作に反応しながら多くのピクセルをスクリーン中に表示させなければならないにもかかわらず、かなり滑らかなフレームレートで動作する。
Firefox OSには多くの追加機能が搭載されているため、プログラマーは加速度センサやバッテリ残量モニター、カメラ、ネットワーク強度インジケーター、電話ダイヤラーといった携帯電話のサービスを利用するようにウェブアプリを設定できる。より上のレベルでは、Firefox OSアプリプログラマーは現時点において「Canvas」を使ってグラフィックスを表現し、将来的には「WebGL」を使ってより高度な性能を実現できる、とMozillaは約束している。
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