有料メルマガ「Magalry」を開始したグリー、ソーシャルメディア戦略を語る

岩本有平 (編集部)2013年02月21日 08時00分
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 グリーが2月19日、有料メールマガジン(メルマガ)サービス「Magalry」を開始した。芸能人や著名人が発信する写真、動画付きの有料メルマガを315円から1050円で提供している。

 多くの人にとっては、グリーと言えばソーシャルゲームの会社という認識だろう。そんな同社だが、ソーシャルメディア事業にも力を入れている。

 そのきっかけとなったのは、2011年末のマインドパレットへの出資だ。写真アプリ「Snapeee」を提供するマインドパレットに出資すると同時に、共同でアプリの開発に着手。2012年2月には「GREE DecoPhoto」を公開(その後「Pictline」としてリニューアル)した。その後もVOYAGE GROUPとともにソーシャルビューイングアプリ「emocon」を公開。そして第3弾として公開されたのが、このMagalryとなる。


グリー メディア事業部ソーシャルメディア・エンターテインメントメディア部副部長の石崎洋輔氏

 これらのサービスを手掛けるのが、グリー メディア事業部ソーシャルメディア・エンターテインメントメディア部(SM・EM部)だ。SM・EM部副部長の石崎洋輔氏は、同部署の役割について「まず1つがMagalryのように、エンターテインメント分野での新規事業を展開すること。次にPictlineやemoconのように、すでに特徴あるサービスを提供している人たちと一緒に新しいサービスを作ること。そして3つめは、ニュースやQ&Aなど、SNS『GREE』の既存サービスをよりよいものに育てていくということ」と説明する。


グリー メディア事業部ソーシャルメディア・エンターテインメントメディア部の渡辺淳之介氏

 3つのサービスの中で初の内製サービスとなったMagalry。これまでゲームを中核としてきた同社にとっては、メルマガは意外とも思える選択だ。サービスを担当するグリー メディア事業部SM・EM部の渡辺淳之介氏は「サービスとしてはGREEと切り離して、新しい人たちに使ってもらいたい」と語る。またその一方では、これまでの事業とはまったく関連性がないというわけではなく、「これまでのアセットを使った事業だ」と強調する。

 グリーでは以前より、GREE上で「芸能人 公式ブログ」を展開している。ここで築いたネットワークを生かして、20人超の芸能人・有名人を集めたのだという。「正直計画時点では難しいと思ったが、メルマガのメリットを説明し、認識いただいている」(渡辺氏)。


グリー 開発本部エンジニアの矢口裕也氏

 サービス提供のきっかけとなったのは、「GREE Frontier」と呼ばれる社内制度。これは月1回、社員がボードメンバーに向けて新事業のプレゼンテーションをするというもの。渡辺氏も2012年11月にプレゼンをした上でサービスを開発するに至った。「通常会社の規模が大きいと動きやすさはないが、『スタートアップ』を体感できた3カ月だった」(渡辺氏)。開発を担当した新卒エンジニアの矢口裕也氏も「会社にはゲームのイメージがあったが、それ以外もやってみたいと思っていた。GREEのプラットフォーム開発では当然のようにあった機能もなく、1から作る経験ができた」と語る。

 Magalryで目指すのは、メルマガではなくファンクラブサービス。「メルマガ市場は10億円。一方でファンクラブはリアルな市場で200億円。ライブやイベントとなると1200億円の市場がある」(渡辺氏)。「著名人のコンテンツプラットフォームになればいい。イメージとしてはメルマガよりもLady Gaga(『Gaga's Little Monsters』)や板野友美(『TEAM TOMO』)だ」(石崎氏)。現時点では一般ユーザーにプラットフォームを開放するのではなく、芸能人や著名人の執筆者拡大に努める。

 SM・EM部では、今後もソーシャルやエンタテインメント向けの新サービスを提供していく予定だという。「スピード感は持っているが、その一方ではユーザーに満足頂けるようなクオリティを担保できるよう考える。『GREEのいちコンテンツ』といったものなどさまざまな形はあるが、6月頃までには2つほどリリースできると思う」(石崎氏)

 最近ではディー・エヌ・エーが音楽サービス「Groovy」を提供すると発表しているほか、ミクシィも新規事業をとりまとめる「イノベーションセンター」を設立し、フォトブックサービス「nohana」を公開したばかり。ソーシャルゲームのプラットフォーマーはそれぞれゲーム以外の柱となる事業を模索している。

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