ドワンゴとニワンゴは8月21日、動画コミュニケーションサービス「niconico」の公式動画配信サイト「ニコニコチャンネル」において、ブログやメルマガなどを配信できる新機能「ブロマガ」を提供開始したことを発表した。第一弾として、小沢一郎氏、GACKT氏などの著名人が記事を配信する。
ニコニコチャンネルは、企業や団体がniconicoのユーザーに向けて、動画や生放送を配信できるサービスとして、2008年に開始。以後、チャンネル数は拡大し続け、2012年には約2000チャンネルが開設されているという。今回の新機能により、配信者は動画に加えて、テキストをベースとした記事も配信できるようになった。
ブロマガの提供に併せて、政治家の小沢一郎氏、実業家の堀江貴文氏、アーティストのGACKT氏、映画監督の押井守氏、タレントのデヴィ夫人など、各業界の著名人による65の公式チャンネルが開設され、76の企業や著名人のチャンネル内でブロマガが配信される。
主な配信内容として、小沢一郎氏は「国民の生活が第一」の党首として国民からの質問に答えるほか、押井守氏は未発表原稿を公開する予定。堀江貴文氏は、購読者限定の生放送なども実施する予定だ。将来的には、人気の生主やユーザーによるブロマガの配信も検討しているという。
配信者は投稿した記事ごとに、無料または有料の設定が可能。有料の場合は1記事単位で課金ができる「都度価格設定」と、1カ月間の購読料を課金できる「月額価格設定」から選択でき、配信回数や価格は配信者が自由に設定できる。
たとえば、毎週更新の「小沢一郎すべてを語る」や「堀江貴文のブログでは言えない話」は月額840円、月4本更新の「津田大介の『メディアの現場』」は月額630円、毎月“4”のつく日に更新する「GACKTちゃんねる」は月額840円となっている。手数料として配信者は、有料配信の場合、売上の約30%を運営側に支払う。
ドワンゴ取締役の夏野剛氏は同日の記者発表会で、「メルマガだと完全有料メルマガというものもあるが、この手のブログ形式になると有料のものというのはなかなか難しくなる。しかし、きちんとビジネスモデルを確立することでコンテンツの質を維持できる」と強調する。
購読者は、記事に対してコメントを投稿でき、読者同士や著者との間で意見を交換できる。また読者は、投稿されている記事をEPUB形式でダウンロードして、電子書籍として、iPhoneやAndroidスマートフォンなどで閲覧することもできるという。
夏野氏は「ブロマガは既成メディアとは違う。しかし、個人が趣味で発信していくものでもなく、その中間にある。きちんとした意見やライフスタイルを持っている、あるいはTwitterなどでキュレーター的な役割を果たせる人が、テキストだけでなく、動画やEPUBも含めたマルチなフォーマットでのコンテンツ配信ができるプラットフォーム」と説明。ブロマガという「新たな立ち位置をniconicoで立ち上げる」と意気込んだ。
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