マイクロソフトの「Surface Pro」レビュー(後編)--ソフトウェア、性能、バッテリなど紹介 - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2013年02月25日 07時45分

ハードウェア構成

 ハードウェア構成の選択肢は少なく、64GバイトのSSDか128GバイトのSSDかを選べるだけで、価格はそれぞれ899ドルと999ドルだ。これはタブレットとしては高価だが、このサイズの多くのタッチ操作可能なWindows 8 Ultrabookに比べれば、それほど高くはない。

 Surface Proのストレージに関して不思議なのは、Microsoftによれば、64Gバイト版Surface Proの場合、ユーザーは64Gバイトのうち23Gバイトしか使えないということだ。不思議なのは、われわれが使い始めたばかりのSurface Proを調べたときには、システムファイルは20Gバイトしかなく、64Gバイト版でも44Gバイトの空き容量が残るはずだということだ。もしこれが本当なら、64Gバイト版Surface Proを使うのは制約が大きすぎ、事実上128Gバイト版を選ぶしかない。

 Surface Proは、ブランドや外見は似ているものの、2012年に発売されたWindows RT版Surfaceとは違う部分が多い。「Surface RT」にはTegra 3プロセッサが採用されており、RAMも少なく、画面解像度も低く、改善されたスタイラスもサポートされていない。(Surface RTでもiPadのように静電容量式のスタイラスを使うことができるが、Surface Proにある圧力感知機能やパームキャンセル機能はない)

提供:Sarah Tew/CNET
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性能

 Surface RTが500ドルだったのに対し、Surface Proは899ドルもする。ただし、見た目こそ似ているものの、この2つはまったく別のものだ。RTにはARMプロセッサが搭載されWindows RTを動かしているのに対し、Surface ProにはIntelのCore i5プロセッサが搭載され、ラップトップのように完全版のWindows 8を動かしている。

 Surface RTに対する評価は賛否が入り交じったものだったが、その理由の大部分は、Windows RTにあった。Surface Proはコンピューティングの側面で不足がないという意味で、より重要な製品だ。Surface RTがiPadに対抗するものに感じられたのに対し、こちらはPCとしてのタブレットという側面が強い。Surface ProではWindows 8のタイルベースのインターフェースが使えるだけでなく、普通のデスクトップを開いて、従来のアプリケーションを開くことも、Steamを実行することもでき、他にもJava、Flash、古いWindowsアプリケーションを含め、何でもできる。Surface Proをモニタにつなげば1080pの解像度で画面を出力でき、マウス、キーボード、外付けハードディスクなどのBluetoothやUSB 3.0を使った周辺機器をつなぐこともできる。

提供:Sarah Tew/CNET
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 Core i5プロセッサと4GバイトのRAMを持つタブレットの素晴らしい点は、これが普通のUltrabookと同じくらい強力だということだ。われわれが行ったベンチマークテストでは、同等のUltrabookにまったく引けを取らないばかりか、一部のCore i7 Ultrabookにも匹敵した。Intel HD 4000統合グラフィックチップは、設定を少し下げればSteamのゲームを動かすこともできる。このチップは、現時点で出回っている、NVIDIAやAMDのグラフィックチップを別に搭載していない、どんなUltrabookとも戦えるものだ。

 HP Envy x2やAcer Iconia W510のグレードの低いAtomベースの性能と比べると、ウィンドウを開いて同時に多くのタスクを実行しても問題は生じにくい。しばらく使っているとファンが動作する。わたしは、細い排気スリットが背面の周囲に入っているため、ベッドで使っていると底辺が熱くなることに気づいた。

提供:Sarah Tew/CNET
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バッテリ持続時間

 Surface Proのバッテリ持続時間が優れていればよかったのだが、残念ながらそれほどではない。動画再生によるバッテリ消費テストでは、Surface Proのバッテリは「Type Cover」が接続されているかどうかに関わらず、4時間31分間持続した。これは強力な11インチまたは10インチのウルトラポータブルPCと比較すればそれほど遜色はないが、多くのUltrabookの6時間と比べれば短い。AcerのIconia W700は、同様のプロセッサを使っているにもかかわらず、7時間以上持続した。2013年中に発売される予定のIntelの新しいプロセッサが出れば、Surface Proのバッテリ持続時間ももっと長くなるはずだ。現状でも、Surface Proは1日のうちそれなりの時間使用することができるが、バッテリ持続時間には常に気を配り、よくできた充電アダプタを常に持ち歩く必要がある(アダプタには、周辺機器やスマートフォンを充電できる余分のUSBポートがついている)。これは十分なバッテリ持続時間ではあるが、他のタブレットと比較すれば劣ることは間違いない -- もちろん、これにはまったく驚きはなかったが。

提供:Sarah Tew/CNET
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