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アップルが廉価版「iPhone」を必要としない理由 - (page 2)

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年01月29日 07時30分
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 筆者が目にしたもう1つの可能性として、iPhoneを小型化し、価格を下げるというものがあった。では、「新しいiPad」と呼ばれていた第3世代のiPad(第4世代のiPadである「iPad Retinaディスプレイモデル」の製造コストも同じくらいであるはずだ)と「iPad mini」に関するIHSのBOMを見てみることにしよう。16Gバイト搭載のWi-Fi版第3世代iPadの販売価格は499ドルとなっており、その製造コストは316ドルとなっている。そして、16Gバイト搭載のiPad miniの販売価格は329ドルとなっており、その製造コストは198ドルとなっている。

 見方を変えれば、iPadのディスプレイサイズを9.7インチから7.9インチにしたことで、Appleは118ドルのコストダウンを実現したというわけだ。ただ、こういったコストダウンの要因には、他の製品で使用しているプロセッサの流用なども含まれている。それでも、iPad miniの価格は高級ブランドのレベルにとどまっている。

 このためiPhoneを小さくし、既存デバイスで使用しているコンポーネントを流用することで、Appleはより安価なiPhoneを製造できるはずだ。

 しかしAppleは既に、旧来のテクノロジを用いてより小さなiPhoneの製造、販売を行っている。それは「iPhone 4」と呼ばれており、通信キャリアと契約を結ぶ場合には無償で提供されており、結ばない場合には450ドルで販売されている。また、「iPhone 4S」という製品もあり、通信キャリアと契約を結ぶ場合には99ドルで、結ばない場合には549ドルで販売されている。

 こういった旧世代のデバイスこそが、より小さく、より安価なiPhoneを望む人たちに対するAppleからの回答になっているというわけだ。

 iPhoneの販売が絶好調であるという点を考えると、より安価なiPhoneを発売する理由はあまりないと言えるだろう。また、大幅に安いiPhoneを市場に投入すると、より価格の高い(そして利幅の大きな)iPhoneの販売に影響が及ぶことは間違いない。iPad miniは小型タブレットとしては高価格の高級品であるものの、フルサイズのiPadの販売に影響を及ぼしているとの推測がアナリストらから既に出されている。

 大幅に安いiPhoneを市場に投入することで販売実績は上がるものの、Appleが利幅を犠牲にしてまで市場シェアを拡大しようとした場合、Androidと、それを搭載した機器のメーカー(サムスン電子やHTCなど)との競合を同社が脅威と捉えているとも解釈されるだろう。

 市場シェア拡大のために価格を引き下げた結果、何が起こるのかは、PC市場や、PC関連のOEMを見れば分かるはずだ。こういった道に進んでいきたいとはAppleも思っていないだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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