米国際貿易委員会(ITC)に持ち込まれたサムスン対Appleの特許侵害の訴えで、米国時間2012年10月24日、サムスンに不利な仮決定が下されたことにより、同社がどのような影響を受けるかに関する詳細が明らかになった。
ITCは12月28日、この訴えにおける審判官の仮決定と勧告を、一部を伏せた状態で公開した。審判官Thomas Pender氏が勧告した制裁措置が示されており、これには特許侵害に当たる製品の輸出と販売の禁止、および訴えの対象となったスマートフォンの価値の88%に相当する保証金の支払いが含まれていた。
Pender氏は、サムスンがAppleの「iPhone」の意匠1件とソフトウェア機能に関する特許3件を侵害しているとの仮決定を下したが、Appleの他の特許2件についてはサムスンの主張を認めた。この訴訟の対象となったのは、サムスンの旧型の電話とタブレットで、「GALAXY S III」や「GALAXY Note」(これらは別の申し立ての対象に含まれる)など新製品ではない。Pender氏の判断は、ITCの全6名の委員会に承認される必要があり、最終決定は2月19日に下される予定だ。
Foss Patentsブログによると、Pender氏が勧告した賠償には、特許侵害に当たるあらゆるデバイスの米国での販売に対する停止命令とそれらの輸出禁止(最終決定後、大統領による60日間の検討期間を経て発効)、さらに大統領による検討期間中の販売額に相当する保証金の提出が含まれている。保証金には、全スマートフォンの金額の88%と、全タブレットの金額の37.6%、そして全メディアプレーヤーの金額の32.5%が求められる。Foss Patentsによると、サムスンはこれよりもはるかに小さい保証金額を主張していたという。
一方で、同ブログが書いているように、Pender氏はまた、サムスンが特許侵害を解消するために問題のデバイスを微修正するという「次善の設計」を認めている。その場合、販売禁止は不要となる。また、米特許商標庁(USPTO)から特許の再審査が求められる可能性もある。最近、同訴訟の対象となる特許のうちタッチスクリーンに関連する1件がUSPTOによって暫定的に無効とされ、長期にわたる可能性のあるレビューと異議申し立ての結果を待つ状態となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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