Appleは8月に評決が出たサムスン電子に対する訴訟で10億ドル超の損害賠償を勝ち取ったが、この際に効果的に用いられた重要な特許が、米特許商標庁(USPTO)による再審査の結果、無効になる恐れが出てきた。
「ピンチズーム特許」として知られるこの特許(米国特許番号7844915)に含まれる21件のクレームすべてが、再審査の結果、米国時間12月19日にUSPTOによって却下された。
サムスンは19日の午後、米連邦地方裁判所のLucy Koh判事宛てに送付した申立書の中で、USPTOの再審査について指摘し、同社が損害賠償訴訟の再審を請求していたこと、およびAppleがまさにこの特許の侵害を理由として多数のサムスン製デバイスの販売差し止めを求めていたことを考えれば、今回の判断は「意味がある」ものだと述べた。なお、両社の請求はどちらも17日に裁判所で却下されている。
Appleには、今回の決定に異議を唱える機会が残っている。
今回の特許は、ユーザーが1本の指で画面をスクロールしているのか、複数の指を同時に画面にタッチして「ピンチズーム」動作をしているのかを判別する技術を対象としている。カリフォルニア州の陪審員団は8月の評決で、サムスンが販売し訴えの対象となった24種類のデバイスのうち21種類について、この特許のメインクレームを侵害していると認定していた。
この特許は、総額10億ドル超の損害賠償を科すとした評決の判断材料になっていた。ただしこの額は最終決定ではなく、Koh判事が近いうちに発表するとみられる追加命令によって変わる可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」