1月にネイバージャパン、ライブドアと経営統合し、主力サービスである「LINE」は世界8500万ユーザー(2012年12月12日時点)を突破、「NAVER まとめ」も2011年と比較してPVが約5倍、訪問者数が約2.5倍(10月時点)に成長するなど、2012年はまさに飛躍の年となったNHN Japan。
特にLINEについては、2012年の2月以降、5週間1000万人以上のペースでユーザー数が増加。また7月にはプラットフォーム化を宣言し、11月にはO2O戦略を打ち出すなど、他社を寄せつけないスピードで新施策を展開している。目標であった1億ユーザー達成も間近となったが、2013年はいかにしてさらなる成長を目指すのか。NHN Japan代表取締役社長の森川亮氏と、同執行役員の舛田淳氏に、同社の今後について聞いた。
舛田氏:12月25日時点で9000万人を超えています。2012年内の1億ユーザー達成を掲げていたのですが、1月中には間違いなく超えると思います。
舛田氏:ユーザー比率はこれまでと同様に世界が6割、日本が4割です。伸びているエリアについては、これまでトップシェアだったところはさらに強固になり、これまでセカンドだったところはトップシェアに近づいているという状況です。新しい動きとしてはスペインとスペイン語を使う南米の国々が軒並み急上昇している状況なのですが、この状態が1カ月以上続いていますので、ある種成長フェーズに入ったかなと思っています。
舛田氏:最新のデータですと、月間のアクティブ率が86.1%(2012年8月実績:当時は約5800万人)、デイリーでのアクティブ率が65%(2012年10月実績:当時は約7100万人)を超えています。LINEでは電話番号を認証キーにすることで、アプリをインストールするとすでに友達がいるという状況から利用できますので、すぐにコミュニケーションがとれます。そのため、ユーザー数が拡大しても高いアベレージが維持できているということですね。
舛田氏:こういった災害時などにLINEをコミュニケーションの選択肢の1つに考えていただけるようになってきたんだなと強く感じました。もともとLINEは東日本大震災がきっかけで生まれたサービスでもあるので、災害時に活用していただきたいと思っていましたし、緊急時でも安定的に使っていただけるよう準備していました。それによって、トラフィックが2倍になっても問題なく使える状態だったのだと思います。
舛田氏:最近は、LINEと連携すればすべてヒットするとか、ユーザーを獲得できると言っていただくこともあるのですが、やはり品質の低いサービスやきちんとテストされていないサービスというのは、既存のユーザーのアクティブ率を下げてしまうと思っています。ですので、我々は大胆に進めているようで、1つ1つしっかりテストしています。
たとえばLINE Tools(LINEのキャラクターが登場するミニツールアプリ)はLINEとの連携機能はありませんが、ただのツールでどれくらいユーザーに受けるのかをテストし、ヒットすればその次の展開もあると思います。まずはすべて小さくスタートし、ユーザーの反応を見ながら次の大きなカードを切るための準備をしているという状況です。
森川氏:いまは組織的にもLINE用にゲームを提供する部署と、PCゲームの部署で分かれていまして、LINEの部署に関しては、よりリアルグラフを生かしたゲームを作ったり集めていくということに集中しています。やはりプラットフォームの特性に合わせて作っていくことが非常に大事だと思っていまして、PCはコアなゲーマーによりフォーカスしていくと。一方でLINEはゲームをやったことのない人も含めて友人と一緒に楽しむ価値を提供するということです。
森川氏:やはり「LINE POP」(LINEの友人と得点を競えるパズルゲーム)ですね。結構ハマっているタレントの方も多いみたいです。
森川氏:収益については公開していないのですが、いまのところ収益はそこまで重視していません。まずはユーザー規模をさらに増やそうというところです。
森川氏:そうですね。デジタルコンテンツの領域など、まだやりきれていないところもありますので。一方で、オフラインとの連携という意味でようやく「LINE@」(月額5250円で利用できる中小企業向けのアカウント)も本格的にはじまりました。
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