電通パブリックリレーションズ(電通PR)は12月26日、2013年のSNS界の動向、未来をどのように捉えているかについて調査結果を発表した。Twitter、Facebook、mixiの3大SNSの認知度は95%以上であることがわかった。
これは電通PRの社内横断組織「ソーシャルメディア実験室『アンテナ』」が、15歳以上69歳以下の男女1339人を対象に実施したもの。認知率が最も多かったのは「Twitter」(98.7%)、「Facebook」(98.4%)、「mixi」(95.9%)で典型的とも言える3社が1~3位を占めた。
そのほかのサービスでは「モバゲー」(94.9%)と「GREE」(91.5%)とソーシャルゲームの2社が拮抗した結果となり、無料通話・無料メールスマートフォンアプリでは「LINE」(76.5%)が認知を得た。
実際の利用経験、利用意向について尋ねると「現在利用している【ほぼ毎日】」と「現在利用している【たまに】」の合計値(利用率)が、Facebook(41.7%)とTwitter(40.5%)で4割を超えた。mixiとLINE が、26.7%と23.7%という結果となった。
今後の利用意向ではGoogle+(19.0%)、LINE(18.7%)、comm(16.3%)の順で、commは2012年10月下旬のサービス開始にもかかわらず、高い利用意向を示した。
性別年代別ではTwitterが10代に牽引されているのに対し、Facebookは10~40代を中心に、幅広く平均的に利用されていることがわかった。
2013年のSNSについては、認知度がいずれも95%以上を占めたTwitter、Facebook、mixiがコミュニケーションプラットフォームとして定着したと判断。「知っていて当たり前」のツールになったがゆえに、さらに一歩進んで使い方に期待が集まるとしている。また、高い認知率の反面、利用率が5割を下回っていることなどを受け、まだ十分な伸びしろがあるとも分析する。
以降は、Google+、LINE、commへの期待の声が挙がっており、2013年の利用者増が見込まれるとのこと。中でもメッセンジャーアプリは、サービス開始から日が浅いにもかかわらず高い支持を集めており、2013年も引き続き注目度の高いサービスになりそうだ。この背景にはスマートフォンの普及によるアプリ環境の整備、デコメの代替機能によるスタンプの搭載などが、スマートフォン利用者に歓迎されたためとしている。
認知度も高まり、人気もあるSNSだが、調査対象中約4分の1の人が「SNSは頭打ちになる」など後ろ向きな予測も出ている。これは初期からSNSを使っているパイオニア層が「すでに先の見えたプラットフォームだ」と捉えている可能性と、SNS上の友人、知人が多くなるにつれ、配慮すべきことが多くなり疲労感につながっていると推察される。
このような意見はあるがアンテナでは、SNSは見過ごせないコミュニケーションプラットフォームであると位置づけており、今後はヒットした分だけ「揺り戻し」がある可能性も含め、新機能や新規サービスの提供など、利用者の期待に応え続けることが今後の成長の鍵になるだろうとしている。
現在でも活発に利用されている企業とSNSの関係については、生活者の声をモニタリングするには○○、キャンペーンには△△と、目的に合わせた明確な使い分けがされるだろうとの見方を示す。生活者と直結しているツールだけに、より細やかなコンテンツ作成、構造的・戦略的な情報発信プランニングが必要になり、多様化、細分化するSNSに合わせた情報加工力が求められてくるだろうという。
また、知人同士を「つなげる」、知っている情報を「拡散する」ツールとして使われてきたSNSの役割についても変化すると考察する。今後は、趣味や嗜好に合わせた「グループ化」「深堀化」が進むと見ており、本当のコアターゲットに「これは自分のための情報だ」と思ってもらえるようにすることが今後の企業の最重要課題と据える。情報のユビキタス化から一点、「アンチユビキタス」がこれからのコミュニケーションポイントになるだろうとした。
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