NHN Japanは12月5日、キュレーションプラットフォーム「NAVER まとめ」で提供している「まとめインセンティブプログラム」を、2013年1月1日より全面刷新することを発表した。今後は、アクセス“量”よりもアクセスの“質”を重視していく。
NAVER まとめでは、2010年11月からまとめ作成者に広告収益を還元するインセンティブプログラムを、2012年3月から優良なまとめ作成者を運営事務局で選抜し、より多くの分配額を配分するまとめ奨励金制度を導入している。
NAVER まとめの利用者数は10月時点で月間8億1700万ページビュー(PV)、訪問者数は3300万人にのぼり、2011年と比較してPVが約5倍(前年同期比479%増)、訪問者数が約2.5倍(前年同期比272%増)に拡大しているという。サービスが成長する一方で、インセンティブを目的とした質の低いまとめや、商用活動を目的としたまとめ記事が増えてきていると、NHN Japan 執行役員の島村武志氏は話す。
「一度ヒットしたまとめの中身を、自分の他のまとめのリンクに総替えするような、悪質なユーザーも一部で出てきている。本質的な内容ではない小手先のテクニックが注意を引いている動きがあり、そういうものを我々は求めていないと初めて明示することにした」(島村氏)
このような状況を受け、インセンティブプログラムを全面刷新することにしたという。今後は、閲覧者の流入元やまとめ記事への滞在時間を評価軸に加え、FacebookやTwitterなど外部SNSサービスからの流入や適正な滞在時間を“質の高いアクセス”と定義し、同じ1アクセスでもこれまで以上にインセンティブポイントを増大して付与する。逆に、NAVER まとめ内からの流入や、短すぎる滞在時間のアクセスは、従来よりもインセンティブポイントを低減するという。
また、アイテム数が少ないまとめや、逆にアイテム数が膨大すぎて取捨選択がされていないまとめ、NAVER まとめに投稿された記事だけをまとめたものや、タイトルと中身が一致していないまとめなどについては、インセンティブの対象外にする。こうしたまとめを大量に作成しているアカウントは、アカウントごと対象外にするケースもあるとしている。
さらに、コメント欄を使用したまとめの宣伝活動や、ECサイトやアフィリエイトサイトへの誘導・告知、情報ソースの全文コピーなどについては、まとめを非表示にするほか、アカウント停止の措置を取ることもあるという。「NAVER まとめが奨励していきたいのは訪問者に満足してもらえるようなコンテンツを作ること。数さえ稼げればいいという人ではなく、本当に中身のあるまとめを作成している人だけを支援していきたい」(島村氏)
優秀なまとめ作成者を支援するための、まとめ奨励金制度も改変する。奨励金制度は、速報性の高いまとめ記事の作成者を支援する「トピックピッカー奨励制度」と、長期的に読まれるまとめ記事の作成者を支援する「ロングヒッター奨励制度」で構成されているが、インセンティブプログラムの刷新に合わせて、トピックピッカー奨励制度を再編するという。(ロングヒッター奨励制度は変更なし)
トピックピッカー奨励制度では、中長期にわたるまとめ作成実績がある作成者を「レギュラー」、新人でありながら高い成果を出したまとめ作成者を「ルーキー」と位置づけているが、現在の制度ではレギュラーとロングヒッター奨励制度の内容が一部被ってしまうことから、今後はルーキーとレギュラーを統合し、よりルーキーとしての側面を強めた形で運用していくという。
奨励までの流れも再編し、新規作成されたまとめの月間合計ポイントが3カ月連続で1万ポイントを超えた作成者のみを奨励の対象とする。奨励期間は3カ月で、奨励期間中の月間成績に応じて、通常より高額のポイントレート(0.5円、1.0円)が適用される。新奨励金制度での運用開始は2013年2月1日を予定している。
島村氏は「今回の制度変更によってポイントが激減する人もいると思う。ただし、それはまとめの内容を重視せず、小手先のテクニックで稼いでいた人たち。逆に質の高いまとめを作ってきた人のポイントは増える」と説明。さらなるサービス拡大に向けて、良質なまとめ作成者を支援していく姿勢を明確にしたいと語った。
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