米連邦地方裁判所の判事が、米国内における複数のサムスン製端末の販売禁止を求めたAppleの請求を却下した。両社の審問は1週間あまり前に開かれていた。
両社の裁判全体をみてきたLucy Koh判事は米国時間12月17日の裁定で、サムスン製品26件の販売を禁止するよう求めたAppleの請求を却下した。同判事は、権利を侵害している機能はいずれもさらに大きな機能セットの一部でしかなく、販売禁止は広範過ぎると述べている。
Koh氏は「本訴訟で問題になっている電話は幅広い機能を搭載しており、Appleの特許が対象としているのはそのほんの一部に過ぎない」「Appleは特定の機能を自社限定にする一定の権利を有するが、無数の機能の中に権利の保護された限定的な機能がいくつか組み込まれているからといって、すべての製品を永久に市場で禁じるべきではない」と記している。
Appleは裁定についてコメントするのを控えている。サムスンにもコメントを求めたがすぐには回答を得られなかった。
判事は8月の評決では、サムスン製のモバイル端末26件がAppleの複数の特許を侵害しているとしてAppleに有利な判決を下し、10億5000万ドルの損害賠償を認めた。評決を受け、Appleは、製品が店舗に並ぶのを阻むべく、特許を侵害する複数の製品の販売差し止めを求めた。
特許侵害が認められたとはいえ、Koh氏は裁定で、差し止め請求の対象となった端末の多くがすでに販売されていない製品であり、販売中の製品には他の機能も組み込まれていると述べた。
もっとも、サムスンにとっても良いことばかりではなかった。恒久的な差し止めに対する命令とともに、Koh氏はサムスンの再審請求も却下した。サムスンは訴訟の陪審員長がサムスンの投資先であるSeagate Technologyと法廷で闘争していた事実を明かさなかったことを問題視していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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