米連邦取引委員会(FTC)は、Googleを独占禁止法違反で提訴するかどうかの決定をついに近々下すかもしれないと言われている。対象となっている問題の1つは、Googleが「垂直」検索によって、競合企業に対して不公正な行いをしているというものだ。その主張は、筆者にとっては大部分がばかばかしいものに思える。
FTCがこの件でGoogleを提訴すればそれは、優れた検索エンジンがまさにすべきことを実行したという罪でGoogleを罰することになるだろう。
確かにGoogleには、独占禁止法違反を疑われるような問題が存在している。しかしそこには垂直検索は含まれない。それを提訴の対象とするのは、CBSがABCのテレビ番組を放送しない罪で処罰するとか、The New York TimesがThe Los Angeles Timesのスポーツ欄を掲載せず、独自のスポーツ欄を掲載するのに腹を立てるようなものだ。
話を進める前に、筆者のバックグラウンドを少し説明したい。筆者は米CNETで「Common Sense Tech」というコラムを担当しており、そこではテクノロジを実用的な視点で掘り下げている。しかし筆者の言わば「本業」は、検索エンジン業界について詳しく伝えるサイトであるSearch Engine Landの編集長という立場である。筆者は検索について17年近く、Googleがスタートする前から執筆活動を行ってきた。
筆者は長年にわたって、検索エンジン業界全体が検索者により良いサービスを提供しようとするのを見てきた。Googleと同社に向けられた批判についての筆者の考え方は、そうした経験から来ている。垂直検索は以前から、主要な検索エンジンが提供してきた、重要で便利な機能だ。
より良い理解のために、垂直検索とは何かをおさらいしておこう。この用語は、Googleや「Bing」のような検索エンジンでは、ニュースやスポーツ、エンターテインメントといった幅広い関心事項を「水平に」検索できるという考えから来ている。知りたいことが何であれ、検索ボックスにそれを入力すれば、答えが見つかる。検索トピックの範囲を図示すると、このようになる。
時には、興味のある事項の特定の部分に重点を置いた検索エンジンを使えば、より良い結果が得られるだろう。ニュース記事を探しているのなら、ニュース検索エンジンを使うのが最も理にかなっている。その場合、すべてのトピックを「水平に」検索するのではなく、ニュースコンテンツだけを「垂直に」検索していくことになる。
同様に、買い物の情報を調べているなら、ショッピング検索エンジンを使うのが良い。画像を探しているなら、画像検索エンジンの方が便利かもしれない。地域情報がほしければ、地域情報検索エンジンが役に立つだろう。
世の中には、あらゆる人のあらゆる質問に答えようとするのではなく、特定のトピックに重点を置いた垂直検索エンジンが数多くある。以下にいくつかを挙げる。
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