BingはGoogleとまったく同じことをしている。完全に同じだ。しかしMicrosoftが支援するFairSearchが、MicrosoftのBingが何か間違ったことをしていると示唆したことは一度もない。
Googleの検索市場シェアは非常に大きいのだから、Googleは公正な競争を確保するため、異なる基準に従う特別な義務があるという主張もある。しかしGoogleやBingがショッピング検索結果を表示することで、本当に「ひいき」されているものが何なのかを考えれば、その主張は成り立たなくなる。
こうした検索結果をクリックすると、ショップのサイトが直接表示されるか、製品を販売しているショップの一覧が表示されて、選べるようになる。これらは検索結果であり、通常の検索を行えば、検索結果が得られるのとまったく同じだ。GoogleもBingも、自分たちをひいきしているのではない。検索結果に表示されたショップを「ひいき」しているのである。
仮に、Googleの垂直検索を批判する人々によって変更を余儀なくされて、Googleが独自のショッピング検索結果を表示できない、あるいはほかの検索エンジンの結果を表示しなければならないとしよう。Googleで先ほどと同じように「lego death star」を検索すると、Nextagやほかのショッピング検索エンジンからのページが表示される可能性がある。その結果をクリックすると、検索が繰り返されて、実際のショップに行くことができる。
このような余計なステップが増えることが、良い考えだと思う人がいるだろうか。そしてGoogleがショッピング検索結果を表示できないのなら、Googleが提供できないものはほかに何があるだろうか。ニュース検索は禁止だろうか。画像検索も中止しなければならないだろうか。地図の提供もできないのだろうか。
検索エンジンの基本的な使命は、人々が何かを見つけるのを手助けすることだ。あらゆる主要な検索エンジンにとって、垂直検索というのは、人々が情報を見つけるのを手助けする能力の重要な一部である。AltaVistaが1998年に垂直検索を提供したのは、まさにそれが理由だ。
検索ボックスの下のリストを見ると、Maps(地図)やTravel(旅行)、Photo Finder(写真検索)などの「Specialty Searches(専門検索)」がある。Googleは当時生まれたばかりだったが、AltaVistaは大手検索エンジンの1つで、垂直検索を提供することは当時でも普通だった。
筆者が2011年にSearch Engine Landに書いた「Does The FairSearch White Paper On Google Being Anticompetitive Hold Up?(Googleは反競争的だとするFairSearchのホワイトペーパーは正しいと言えるか)」という記事は、このあたりの歴史をさらに詳細に説明している。LycosやYahooといったほかの検索エンジンは、垂直検索の統合によって同じことをしていた。
批判する立場の人々は、垂直検索やブレンド検索は、競争を破壊しようというGoogleの奇抜で新しい計画だと人々に思い込ませようとしているようだ。実際には、Googleが成長して検索大手になる前から、検索エンジンはそのような形でサービスを提供していた。
Googleが垂直検索を提供できないのなら、ほかの垂直検索エンジンが何らかの形で「入れてもらっていた」結果一覧も表示できなくなる可能性があるため、検索結果の究極の姿をプレビューすると、このようになるだろう。
この例は、2010年に筆者が書いた「The Incredible Stupidity Of Investigating Google For Acting Like A Search Engine(検索エンジンらしく振る舞った罪でGoogleを捜査することの信じられない愚かさ)」という記事に掲載したものだ。筆者がここで示そうとしたのは、ほかの検索エンジンに不公平にならないように、Googleでは最終的にほかの検索エンジンへのリンクを一覧表示することしかできなくなった場合、どれほどおかしな事態になるかということだ。
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