4:3のアスペクト比には弱点もある。それが動画再生だ。映画やHDのテレビ番組を表示させると、当然ながらNexus 7やKindle Fire HDのような16:9のタブレットよりも黒枠の部分が増える。RetinaディスプレイのiPadであれば、少なくとも使えるスペースではシャープな動画を見ることができるだけのピクセル密度があった。1024×768ピクセルのディスプレイでは、黒枠の入った動画の解像度はますます下がる。
それでも、これは多くの番組に関しては十分な品質であり、iPad 2より悪いということはなく(ピクセルが小さい分だけややよかった)、iPad miniが対応しているアプリは、月額会員方式のストリーミングサービスから、iTunesやAmazon Video on Demandのような動画ストアまで、数が多い。iPad miniは競合するタブレットの中で、アプリやサービスに対する柔軟性が最も高く、これは大きな利点だ。
下側面のLightningコネクタの両側に置かれた2つのスピーカは、これほど小さなデバイスにしてはかなりの音量を出すことができる。これは、音楽を聴くにも動画を見るにも十分なものだ。右側面に配置された2つのアルミニウム製音量ボタンは、iPhone 5のものに似てフラットだが、長くなっており、iPadのプラスチック製音量ボタンのような傾きはついていない。指先で感じやすく、押しやすいものになっている。
iPad miniの小ささは、両手で持ってプレイするゲーム体験に向いている。仮想ジョイスティックや仮想ボタンを使ったゲームは、通常のiPadよりもずっと違和感が少ない。「N.O.V.A. 3」「Geometry Wars」「Galaxy on Fire 2 HD」などのゲームをしたときの感触は、タブレットに移植されたゲームに比べ、携帯ゲーム機に似ていた。ボードゲームや、小さなボタンが多く表示されるゲームも、快適にプレイできた。小さなアイコンが数多く表示されるタワーディフェンス型ゲームである「Kingdom Rush」も、非常に快適だった。比較的複雑なボードゲームである「Ticket to Ride」も同様だ。iPad miniのデザインと重さは、デバイスを横向きに持つと、デバイスとして驚くほど快適に感じる。
AppleはiPod touchは素晴らしい携帯ゲーム機だと宣伝しているが、画面が大きい分だけ、iPad miniの方が優れているという主張もあり得るだろう。Apple版の「Nintendo 3DS XL」だと思えばいい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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