実際iPad miniは、まるで新しいiPod touchのように感じられ、カーブしたアルミニウムの外殻とフラットな背面まで似ている。机に置けば第4世代iPadよりもはるかに平べったく、まるでウェハースのようだ。上部にはヘッドホンジャック、「Lightning」コネクタ、スピーカーが配置され、下部はあまり先が薄くなりすぎない、より丸みを帯びた形になっている。フロントガラスの周囲は、iPhone 5のように角が取られたアルミニウムのベゼル(ディスプレイの縁からボディの端までの枠のスペース)で囲われている。私がレビューに使用したホワイトモデルは、背面が標準的なアルミニウムになっている。ブラックモデルの背面は、スレート色の酸化アルミニウムになっており、その見た目はiPod touchに似て、あまり目立たない。
通常のiPadのベゼルは幅が広く、MacBookの画面からキーボードを取り外したような見た目になっているが、iPad miniでは両サイドのベゼルが極限まで削られており、通常のiPadほどベゼルは大きくない。iPad miniは、本当の意味で大きくなったiPod touchのように感じられる。これは、われわれが2010年にiPadに対して言っていたことまったく同じだ。しかし、これは今では当時よりもはるかに適切な表現だと言える。
iPad miniはポケットには入らないし、ジャケットのポケットでも難しいので、読者はおそらくそんな風には思わないだろう。どちらかと言えば、iPad miniはハンドバックや小さなバック、あるいは大きなジャケットのポケットサイズのデバイスだ。ソフトカバーの本が入るところなら、どこにでも入れられる。
作りは非常にしっかりした、優れたもので、持っていて楽しい。ホームボタンを押した感触には、クリック感がある。手に持っていても、安物には感じられない。その形は、今ある中でもっとも魅力的な「iOS」製品かもしれない。また、これは子どもが持つには最適なサイズだ。車の中や旅行中に使うにも適している。
しかし、iPad miniは驚くような製品だとは言えない。実は、これまでもアプリを動かせる、iPadよりも小さいデバイスはあった。 それはiPhoneだ。つまり、iPad miniでもっとも重要なポイントは、小さくなったにも関わらず、iPadの通常の使われ方をすべてこなせるように見えるという点だ。スクリーン上でのタイピングを除けば、このデバイスはかなり近いところまで来ている。
では、ベゼルが小さくなったことによって、使い勝手はどう変わっただろうか。こうなると、デバイスを持つのはデリケートな作業になってしまうように思える。私は、自分の大きな手のひらが触れて、間違ってアプリを起動したり、ページをめくったりしてしまうのではないかと心配していた。しかし、私の場合はそういったことは起こらなかった。Appleは、iPad miniのハードウェアとソフトウェアに、文脈を判断して誤タッチをキャンセルする技術を組み込んだ。私にわかるのは、Kindleアプリや「iBooks」で本を読んでいるときに、端末の横を持っていても問題は起きなかったということだけだ。私がタイプをしたときは、画面は端から端まで、すべてのタッチに反応した。
横向きにすると、長くて幅の広い上部と下部のベゼルが横に来るため使いやすい。この形は、動画を見る際にも持ちやすく、ゲームをプレイするにも向いていることに気付いた。
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