「iOS」向けのネイティブな「Google Maps」アプリは「Appleの承認を得るのに苦労する」だろうとThe Guardianが報じたことを受けて、テクノロジ関連のブログ界(米CNETを含む)は米国時間11月5日、ちょっとしたパニック状態に陥った。
Appleの元コンサルタントであるMichael Grothaus氏によって執筆された同記事は、「Googleの地図計画に詳しい同社情報筋は、AppleがiOS向けの専用Google Mapsアプリを承認する可能性について『楽観視していない』と述べている。同アプリは既に開発中で、2012年中に公開準備が整うはずだと一部で報じられているが、情報筋によると、Googleの計画は、Appleが『万一』同アプリを承認する道を選んだ場合に備えて進められているだけだという」と報じている。
IntoMobileは、「もしこの報道が真実だとしたら、これはApple側が後ろ暗いことをしている可能性を示唆するものだ」と報じている。Business Insiderは、「iOSにネイティブのGoogle Mapsアプリが登場するまでには、長い時間がかかるかもしれない」と警告する。
さて、ここで読者の皆さんに朗報をお伝えしよう。The Guardianの情報筋が言っていることは、ほぼ確実に間違いである。
控えめに言っても、彼らの懸念は大げさである。なぜなら、自分のアプリがAppleに承認されないことを心配している人が、ほかにもいるからだ。それは「App Store」でアプリを公開したことのある開発者全員である。それは、App Storeでの公開資格に関するAppleの不透明かつ常に変化する基準によってもたらされたものだ。何年にもわたってアプリを販売していた開発者が、急な変更によって、App Storeからアプリを削除されるということが起こり得る。それは少しも珍しいことではない。したがって、Googleで働く膨大な数の従業員のうちの何人かがAppleに拒絶されることに恐れおののいているとしても、全く不自然なことではない。Appleに拒絶されるのを恐れることは、Appleデバイス向けの開発作業に伴う普通の感情だ。
しかしこれは普通のアプリではない、とThe Guardianは伝える。これには競争の問題が絡んでいる。つまり、世界的なソフトウェアプラットフォーム地政学だ。Apple自身の「Maps」製品は世界中で物笑いの種にされた。Appleは、自社製品より優れた製品をApp Storeで公開するにはあまりにも自尊心が高すぎる。The Guardianは「AppleのMapsの出来がどれだけ悪かろうと、同社はユーザーがGoogleから離れて、Googleを忘れてくれることを望んでいる。このことは正式なGoogle Mapsアプリの承認にあまり良い影響を及ぼさないだろう、と情報筋は言う」と報じている。
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