Appleの「Lightning」コネクタは、発表からわずか1カ月と11日後にはすべての関連製品で採用された。このコネクタは、「iPhone」「iPod」「iPad」などのデバイスに装備されている旧型の30ピンコネクタに代わるものだ。
もちろん代償もある。新たに発表された第4世代のiPadは、2012年になって開催されたイベントで登場した第3世代のiPadを7カ月と7日で置き換えた。第3世代のモデルには、まだ従来の30ピンアダプタが装備されていた。
この動きは最近の購入者の怒りを買うことになったが、この全体的な変更は、特にAppleの他の製品ファミリであるMacと比較したときに印象的だ。
Appleが同社のコンピュータと液晶ディスプレイでUSB 1.1からUSB 2.0に移行するのに、2003年初頭から2004年にかけて丸1年かかった。高速I/O技術の「Thunderbolt」ではさらに時間がかかっていて、まだ同社のすべてのMacには搭載されてない。
Lightningがなぜこのように早く変更されたのかについて背景の理由を知るには、Appleが2006年にIntelチップに移行したときの状況だけを考えればいいだろう。
Apple初のIntelチップ搭載モデルは2006年1月に発売が開始された。移行が発表されてからそれが実現するまでの間、同社の販売は一時的にある危機にさらされた。それは、PowerPCマシンが刷新を控える中、異なるアーキテクチャ用に構築されたソフトウェアとの互換性に疑問を覚えた潜在顧客が商品の買い控えをする可能性だった。
Appleが古いアダプタ技術を搭載した一部の「iOS」デバイス、つまり「iPhone 4」や「iPhone 4S」、第4世代の「iPod touch」をいまだに販売していることに注目したい。しかし、これらは古いモデルだ。
公平に言うと、充電と同期用のケーブルは、主要アーキテクチャの変更とは単純に比較できないかもしれないが、背景に潜むビジネスアイデアは確実に同じものだ。iPadは直近の四半期でAppleの売り上げの4分の1以上を担っていて、その数値が上昇する良好な兆候を示している。将来製品との互換性という同じ脅威が、サードパーティーのアクセサリや既存モデルの販売に大きく立ちはだかっていたのは事実だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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