Googleがウェブアプリケーション向けプログラミング言語「Dart」の最初の安定版をリリースした。同社は、Dartについて、現行のJavaScript言語を改良するものと考えている。
プログラマーでありプロジェクトの中心人物であるLars Bak氏は米国時間10月16日、マイルストーン1リリースに関するメーリングリストのメッセージで、「DartのM1リリースが準備できたことを伝えられて嬉しい。このリリースは、より安定性が高く総合的なDartのバージョンである」と述べた。「今後は、Dartプログラミング言語に大きな変更を加えず、主にパフォーマンスと完成度にフォーカスしていく」(Bak氏)
新しいプログラミング言語を普及させるのは難しい。特に、JavaScriptのように多くの信奉者がいて、幅広く使用されている言語と直接競合する場合はなおさらだ。しかし、GoogleはDartの可能性を高めるために、単なるプログラミング言語だけではなく、多くのものを含めている。Dartプロジェクトはまた「Dartium」も提供する。これはオープンソースのChromiumブラウザの特殊ビルドであり、Dartプログラムを同ブラウザの仮想マシンで直接実行できる。さらに、DartソフトウェアをJavaScriptに変換してDart仮想マシンに対応していないブラウザで実行可能にする「Dart2JS」コンパイラ、コーディングとデバッグを行いたいプログラマー向けのDartエディタ、そして、あらかじめビルドされたコードを持つ付随ライブラリも用意されている。
Bak氏は、Dart M1のソフトウェア開発者キット(SDK)には「『Octane』テストの一部で『V8』をもしのぐ高速のDart仮想マシン」が含まれている、とDart M1を発表するブログ投稿で述べた。OctaneはGoogleの新しいウェブアプリ用ベンチマークテストで、V8はChromeのJavaScriptエンジンだ。
「たしかに、Dartの性能に関する作業をまだ完了していないが、私の見解では非常に前途有望だ」と、別のDartプログラマーであるKasper Lund氏が「Google+」の投稿で付け加えた。
Lund氏はまた、DartのM1バージョンはバージョン0.1であり、Googleは言語の安定化を試みているとはいえ、今後の変更を見て驚かないでほしいとも述べた。
Googleはまた、Dartプロトタイプの初の公開リリース後、この1年間は外部からのフィードバックに応えてDart言語そのものをアップデートしてきた。付随するソフトウェアライブラリを検索したり使用したりする作業を軽減するために設計したpubパッケージマネージャも新たに登場している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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