一方のGrip UIは、端末を“握る”ことで圧力と場所を検知して操作できる技術だ。
本体の左右および背面には圧力センサーが内蔵されており、たとえば全体を握ると「ロック解除」、中央を握ると「戻る」、上部を握ると「ブラウザ起動」などの操作が可能。四隅を握る、握りながら上下にスワイプする、握りながら本体を振る、といった動作の組み合わせが行えるほか、担当者によれば各操作で実行されるアクションの割り当ても変えられるそうだ。
日頃からスマートフォンやタブレットを使っている方の中には、片手に荷物を持っていたり、電車の吊革につかまっている時に、「親指がアイコンやボタンに届かない!」と感じることも多いはず。i beamとGrip UIは、そんな時でも思い通りの操作を実現してくれる。現在のところいずれも製品化の具体的な予定はないそうだが、かなり期待ができる技術といえるだろう。
同じく参考出展のウェアラブル端末「ハンズフリービデオフォン」も気になる存在だ。このハンズフリービデオフォンは、カメラやスマートフォンなどの端末を持つことなく、装着するだけであたかも正面から撮影しているようにハンズフリーでテレビ電話がかけられるという製品。眼鏡のフレーム部に複数の超広角カメラを内蔵し、その合成で正面から見たような映像を作り出している。
実際にデモで使用した眼鏡型ウェアラブル端末には、3軸ジャイロセンサーと3軸加速度センサーに加え、フレーム部の左右に各3個(上・中・下)、背面に1個の超広角カメラを内蔵している。下向きのカメラは本来ハンドジェスチャーや衣服を検知するためのものだが、今回のデモでは左右各1個と背面1個の計3個で動作しているそうだ。
そのほか来場者に人気が高かったのが「うつして翻訳」と「はなして翻訳」だ。うつして翻訳は、外国語で書かれたレストランの料理メニューや街中の看板にカメラをかざすと、通信なしでリアルタイムに翻訳結果を表示してくれるサービス。使い方は、英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語から翻訳対象の言語を選んで、対象物にカメラを向けるだけ。従来多かったOCR機能のように、画像保存の必要がないのは非常に手軽だ。さらに、10月11日より無料でアプリがダウンロードできるというのも嬉しい。
はなして翻訳は、普段通りに話すだけで、話者の言葉を相手の国の言葉に翻訳してくれるサービスだ。使い方としては、目の前にいる相手との会話で使う「対面コミュニケーション」と、離れた相手に電話をかける際に使う「遠隔コミュニケーション」の2種類。対面コミュニケーションは10カ国語(英語・韓国語・中国語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ドイツ語・ポルトガル語・タイ語・インドネシア語)に対応、遠隔コミュニケーションは3カ国語(英語・韓国語・中国語)に対応する。
こちらは11月1日から本格的にサービスが開始される予定となっており、翻訳にかかる料金は一切無料。対面コミュニケーションはパケット料金のみ、遠隔コミュニケーションはパケット料金と通話料だけで利用できる。なお、対面コミュニケーションに関して英語・韓国語・中国語以外の7カ国語は11月中の提供予定となっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス