Facebookほど大量の個人データを保有する企業は、世界にほかにはない。そのおかげでFacebookは、あなたの友達や友達の友達、さらにはあなたが知りもしない人々からデータを集めて、あなたが最も答えを知りたい質問に回答できるという理想的な立場にいる。例えば、「私の友達がこの6カ月に訪れて、『Like(いいね!)』を押したニューヨークの寿司レストランはどれか」といった質問だ。
あなたが最も答えを知りたい質問はそんなことではないかもしれない。だがこの例は、9月にTechCrunch Disrupt SFカンファレンスで行われたインタビューで、Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏が、Facebookと検索との交点について話したときに持ち出したものだ。
「検索エンジンは進化しており、ユーザーに複数の答えをセットとして提示できるまでになった。Facebookは、人々が持つ多くの質問に答えを提供できる特異な立場にいる」(Zuckerberg氏)
Facebookの検索に対する概念は、「フレンドマイニング」と呼べるかもしれない。つまり、データが極めて豊富なソーシャルグラフをマイニングして、質問に対する具体的な答えを抽出するということだ。Zuckerberg氏は、Facebookがより高性能の検索エンジンを提供開始する時期については明言を控えたが、「いつかの時点で提供する予定だ。われわれには検索に取り組んでいるチームがある」と認めた。Facebookウォッチャーやウォール街のアナリストは、10億人近いユーザーを抱えるFacebookがそれらすべての個人データを利用して、どのようにGoogleのように検索から売り上げを発生させることができるのかを思索してきた。Zuckerberg氏の発言が彼らの関心を引いたことは間違いない。
インタラクティブメディア調査会社BIA KelseyのシニアアナリストであるJed Williams氏は、「人々は何年も前から、Facebookが検索に参入することを待ち望んでいる。これは非常に大きな機会である」と述べた。調査会社のeMarketerによると、検索は米国だけで180億ドル規模のビジネスになっているという。
Facebookは少しずつ前に進んでいる。同社は米国時間9月21日、ユーザーが同サイト上で行うほかのあらゆることに加えて、検索活動も追跡し始めた。
Facebookは1日当たり8億件のクエリを処理していると述べるが、現時点で人々は、Facebookを検索と結びつけて考えはしない。それらのクエリのほとんどは、人々がほかの人々を見つけるためのものであり、GoogleやMicrosoftの「Bing」で見られる類の検索クエリとは異なる。
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