Facebookのソーシャル検索機能--実現の可能性と影響 - (page 3)

　「もし私が素晴らしい料理を食べたとFacebookに書いたとしたら、Facebookはテキストボックスをポップアップ表示して、その料理に点数を付けたいか、人に勧めたいか、と筆者に尋ねることができるだろう。それは、十分に進化したYelpになるかもしれない。そしてフレンドマイニング版検索に利用可能な、より多くのデータポイント（天文学的な枚数の画像からのものを含む）をFacebookに与え、ローカル広告で売り上げを得る大きな機会を提供するだろう」（Pachter氏）

　Facebookと同様に2004年に創設されたYelpは、携帯電話の普及とともに業績を急激に伸ばしてきた。そして、Facebookのモバイルへの移行という難しい取り組みを監督するZuckerberg氏は、そのことを間違いなく痛切に認識している。

提供：Screenshot by Donna Tam/CNET

　SearchEngineLand.comの編集者で、米CNETにも寄稿するDanny Sullivan氏は、Facebook検索はfoursquareの「Explore」ボタンに似たものになると予測しているが、それはモバイルの重要性が理由だ。そのボタンを利用すると、ユーザーは例えば、現在地や、自分が過去にチェックインした場所などの基準に基づいて、近くのレストランや店舗を検索できる。foursquareもユーザーのレビューを基にお勧めの情報を表示する。さらにfoursquareは、友達がチェックインした場所や、彼らが書いたレビューも表示する。

検索の収益化

　Facebookと検索の組み合わせに非常に興奮しているのは、ウォール街の人々だ。大きな打撃を受けたFacebook株はいまだに新規株式公開（IPO）時の株価38ドルと比べて約40％減の水準で推移しているが、Zuckerberg氏のインタビュー以降、上昇に転じている。21日のFacebook株は最安値の17.55ドルから約30％増となる1株当たり22.86ドルで取引を終えた。その理由の1つとして挙げられているのが、検索に対するZuckerberg氏の熱意だ。正しいのか誤りなのかは分からないが、ウォール街はそれをGoogleおよび巨額の利益と結びつけて考えている。Googleは第2四半期、Facebookをはるかに上回る27億9000万ドルの利益を上げている。

　確かに、Facebookのソーシャル検索は、いくつかの分野で大きな利益を上げる機会となる。調査会社のBIA Kelseyによると、ローカルモバイル広告の市場だけでも（FacebookがYelpやfoursquareのような機能を追加したらどうなるか、考えてみてほしい）、2012年だけで13億ドルに達し、今後数年のうちに4倍の規模に拡大する見通しだという。

　もっと広範に考えると、Facebookはクエリに対して広告（同社が言うところの「Sponsored Stories」）の販売を開始することもできる。Pachter氏によると、1つの可能性として、Facebookは、広告主がキーワードに基づいて検索結果内にお得な情報を表示するのを許可することができるという。例えば、あなたがハワイへの旅行を計画している場合、「ハワイで訪れる価値のある場所はどこか」という質問をするかもしれない。するとFacebookはあなたの友達の近況アップデートや写真をマイニングして、彼らが過去の休暇中によく訪れていた場所をあなたに提示する。Facebookはその後、ハワイのホテルパッケージをその結果に挿入できる。

　Facebookが検索製品の拡張を進める中で何を考え出そうと、ユーザーデータの新しい利用方法ということに関して言えば、同社は慎重に前に進む必要がある。結局のところ重要なのは、Facebookのユーザー体験にシームレスに組み込まれる検索機能を作り出すことである。なぜなら、もしそれができなかった場合、Facebookの一部のユーザーが不満を感じ始め、マイニングの対象となる友達の数が減ってしまうからだ。