Facebook内からさらに広範にウェブを検索することも可能だが、Facebookはそれを簡単に行えるようにはしていない。例えば、Facebookの検索バーに「寿司」と入力すると、人気度、そしてあなたの友達が『Like』ボタンを押したかどうかに基づいて、寿司に関するFacebookページのリストが表示される。その後、そのページの下の方に小さなボックスが表示され、そこからFacebookが提携しているBingを経由して、Facebookの壁の外側を検索できる。
2012年8月のcomScoreの検索に関するデータによると、米国市場におけるシェアは、Googleが66.4%で、Bingが15.9%だという。Facebookと同様にBingを利用するYahooのシェアは12.8%である。MicrosoftはFacebook経由でどれだけのトラフィックを得ているのかを公表しようとしない。
Bingは検索エンジンにFacebookを統合しており(そのため、友達がFacebookでLikeボタンを押したことが、ユーザーのBing検索結果の横に表示される)、ユーザーはFacebookに投稿して質問することも簡単にできるが、おそらく、Zuckerberg氏の検索チームは、まずFacebookから複数の答えのセットを得ることができ、Bingを訪れる必要がなくなるような機能に取り組んでいるのだろう。
Zuckerberg氏の話を聞いていると、Facebookの検索は部分的にQuoraの機能強化版であるような印象を受ける。Facebookの元最高技術責任者(CTO)であるAdam D'Angelo氏が創設したQuoraを利用すると、ユーザーは質問を投稿して、ほかの人々に答えてもらうことができる。Facebookも2010年に同様のサービスの提供を開始し、小規模ながらソーシャルタイプの検索分野に進出したが、その後、同サービスを廃止した。
Wikipediaと同様、Quoraの価値も参加を決めた人々によってもたらされる。しかしFacebookの場合は、あらゆる種類の質問に対する答えをユーザーに提供する前に、人々に参加してもらう必要はないだろう。なぜなら人々は、既にそこに参加しているからだ。彼らは既にレストランや映画、バンド、そして、おそらくトヨタ自動車の「プリウス」のページのLikeボタンを押している。さまざまなサービスについて、声高に意見を述べている。自分の勤務先や居住地など、さまざまな個人情報をFacebookに伝えている。そうしたことは何年も前から行われており、そのペースが衰える兆候は全くない。
Facebookの仕事は、どのデータポイントがどのような種類の質問に重要なのかを判断することだ。それは容易な作業ではない。Zuckerberg氏が最終的に望んでいるのは、ユーザーの友達がどのレストランの「Like」を押したかというような基本的な質問だけに答えるものではなく、質問、回答、検索を組み合わせたサービスによって、それほど直接的でない質問に対しても意味のある答えを提示することだ。そうした質問の例として、Zuckerberg氏は「私の友達、または友達の友達の中で、私が働きたいと思うかもしれない企業で働いているのは誰か」という文を提示した。Facebookが保有しているデータの内容、さらに同社がどのようにそのデータをマイニングして有益な答えを提供するのかを考えれば、それは特に難しい質問ではない。この質問に答えるためにFacebookは、適切なデータセット、つまり別のソーシャルネットワーキングサイトであるビジネス向けのLinkedInにあるようなデータを必要とするだろう。
Facebookが検索分野で準備を進めている可能性のあることについて、Yelpも手がかりを提供している。Wedbush SecuritiesのインターネットアナリストであるMichael Pachter氏は、FacebookがYelpに真っ向から戦いを挑む可能性もある、と示唆する。Facebookは現在、Yelpのようなレビューを提供していないが、その気になれば短期間でレビューを蓄積することができる、とPachter氏は指摘する。
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