(編集部注:米CNETによる「iOS 6」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。前編は9月24日に公開されています)
読者と同じように筆者も驚いているのだが、「iPhone」では電話をかけることもできるのだ。Appleは「Phone」アプリに新機能を追加することによって、われわれにその事実を思い出させた。iOS 6では、かかってきた電話にテキストメッセージで応答したり、その電話についてのリマインダーを後で受け取るように設定したりできる。前者は会議中や食事に出かけているときに便利だろう。後者のオプションを利用するときは、特定の時間(例えば1時間後)に、または特定の場所(例えば自宅や職場)で到着時や出発時に通知するようにリマインダーを設定できる。
仕組みを説明しよう。電話がかかってくると、画面下部のロック解除(または応答)バーの近くに小さな電話アイコンが表示される。呼び出し音が鳴っている間に上方向にスワイプすると、テキストメッセージで返答するためのボタンと、後で通知するためのボタンが表示される。Appleがあらかじめ用意しているオプションを使って、電話をかけてきた人に「I'll call you later(後でかけ直します)」「I'm on my way(向かっています)」「What's up?(どうかしましたか?)」といったメッセージを伝えることもできるし、「Custom」ボタンにタッチして、独自の返答を入力することもできる。リマインダーについては、1時間後や、今いる場所を離れたときにリマインダーを受け取るオプションを利用できる。
もう1つの便利な追加機能は、「Do Not Disturb(おやすみモード)」オプションだ。これは、テキストとアラートは許可するが、かかってくる電話はブロックしてくれる。グループによって電話をフィルタリングしたり、誰かが3分以内に2回電話をかけてきたときに、2度目の電話のみを許可するようにiPhoneを設定したりできる。これも細かいことではあるが、非常に歓迎すべき修正点だ。Appleが現行および将来のiPhoneを改良する際には、より高度なアドレスブックの開発に注意を向けて、連絡先グループを整理し、グループごとに異なるアクセスレベルを設定できるようにしてくれることを筆者は期待している。これは、iPhoneがライバルに追いつく必要のある分野だ。
前の項目と少し関連するが、「iOS 6」には、ユーザーの選択した連絡先から電子メールが届いたときにアラートを送信する「VIP」オプションが追加されている。仕事をさぼっているが、上司から連絡があったときには応答したいというときに、これは悪くないオプションだ(この機能は、「iPhone 3GS」では利用できない)。
しかし、われわれがもっと気に入った「Mail」アプリの機能は、入力を始めた後で、写真を直接電子メール内に追加できるオプションだ。そうするには、選択、コピー、ペーストのメニューを表示させたいときと同様に、電子メールの本文をタッチしてホールドした後、右の矢印をタッチして、「Insert photo or video(写真またはビデオを挿入)」を表示させる必要がある。率直に言って、このようなシンプルな機能を電子メールアプリに追加するのにこれほど時間がかかったことをAppleは恥じるべきだ。テキストメッセージングの方にはずっと前からこの機能が搭載されていることを考えると特にそうだ。また写真を追加する際に、「Messages」アプリと同じカメラ型のアイコンを使った方が、タッチ&ホールド操作を実行するより分かりやすいようにも思える。これも、衝撃的でもなければ新しくもない機能だ。しかも誰もが認識できる方法で実装されているとは言えない。それでも、この機能がようやく追加されたことを筆者は嬉しく思う。
iOS 6では、携帯電話ネットワーク上でFaceTimeを使って通話できるようになったが、この機能を利用できるのは「iPhone 4S」と最新の「iPad」に限られる。無制限データ契約が急速に消えつつある米国において、FaceTimeが使用するデータ量がどれほどなのかを心配してはいるが、それでもこれが歓迎すべき機能なのは確かだ。3Gネットワーク上でのFaceTime体験の質についても懸念がある。FaceTimeが「iPhone 4」で初登場したとき、Appleが同機能をWi-Fiに限定したのはそのことが理由だったとわれわれは理解している。先頃明らかになったように、新しい「iPhone 5」は4G LTEに対応するが、FaceTimeの3Gおよび4G携帯電話データネットワーク上でのパフォーマンスがどれほどのものなのかは、本レビューの執筆時点ではまだ分からない。
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