ともかく、Siriが、iPhone(および新しいiPad)のより多くの中心的機能と連携したことについて、ユーザーがどう反応するかを見るのは興味深いことだろう。しかしAppleがわれわれに、Siriについてもっと真剣に(Siriだけにシリアスに、だろうか)受け止めてほしいと思っているのは明らかだ。新しいSiriは、iPhone 5にアップグレードする数多くの人が利用できるようになるが、iPhoneを持つ人にとってどのくらい便利なものとなるかを見ていく必要があるだろう。
Appleによれば、「Passbook」を使うことで、電子版の入場券や、飛行機の搭乗券、列車の乗車券、商店のポイントカード、クーポンなどを1カ所に保管し、簡単にアクセスすることが可能だという。この機能はiPhone専用だ。このレビュー執筆時点で、Passbookをテストできるサービスはないものの、全体的に、それはかなりシンプルに見える。すっきりとした並びのインターフェースには、自分のチケットなどのリストが表示され、それを開いて必要なバーコードやQRコードを見ることができる。この機能では、時間に関係したイベントの変更(フライトの遅延や搭乗口の変更など)がユーザーに通知される。また位置情報を使って、商店の近くにいることを感知し、ロックスクリーンがオンになっている時でも必要なカードが表示される。またカードを削除すると、それはスクリーン上で仮想的に「細断される」。忘れないでほしいのは、この内容はPassbook発表時点のAppleによる説明だということだ。後日この機能が使えるようになったら、筆者はさらに詳しい記事を書く予定である。
Passbookがどのくらい便利かは、iOS 6の正式リリースに合わせてAppleがそれを有効にするまで分からないが、興味深いアプリであり、チケットやカードなどをさまざまなアプリや電子メールにばらばらに保存するのではなく、きちんと整理する便利な手段となるのではないかと筆者は考えている。しかしPassbookが、iPhoneに近距離無線通信(NFC)を追加せずにいるためのApple流のやり方であるのは明らかだ。新しいMapsと同様にPassbookも、皆が持っている機能をユーザーに提供するのではなく、むしろユーザーをAppleの世界に閉じ込めるための方法である。驚くようなことではないが、それでも注目に値する。
Twitterを密に組み込んでいたiOS 5の後、FacebookはiOS 6でようやく同等に扱われるようになった。いまやFacebookアプリを使わなくても、画像や動画をFacebookアカウントに直接投稿することができる。だが、それだけではない。「Safari」では、共有ボタンを使ってたった2回ほどのクリックでリンクをFacebookの友達と共有できる。前述の通り、Siriを使って新たなステータスを投稿でき、デバイスとFacebook上の写真やカレンダー、イベント、そして誕生日などとの連携が深まっているのが分かる。最後に、「App Store」にあるアプリやテレビ番組、映画に「Like(いいね!)」を付けることも可能だ。
全ての新機能のうち、もっとも興奮を抱かせないのがこれだ。Facebookアプリは最近のアップグレードで既に大幅に速く、使いやすくなっており、Facebookアカウントを持たない人(そういう人もいるのだ!)はそもそも関心を持たないだろう。しかし、フォトライブラリからすぐに写真をFacebookに投稿でき、複数のアプリからステータスを投稿できることは、Facebookファンにとって便利であることは確かだ。また、友達や誕生日の情報をiPhoneの連絡先やカレンダーに取り込める新機能は、間違いなく役に立つ(ただし連絡先のリストは大幅に増える)。この新たな統合によって、既に目立ちたがりの人々がさらに過剰に共有したがるようなことがなければよいのだが。
(後編に続く。後編は9月26日の公開予定です)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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