憧れの人物が大きな弱点を抱えていることもある。
私の好きなSan Francisco Giantsは先日、ドーピングでMelky Cabrera外野手の50試合出場停止を食らった。高いテストステロン値が検出されたという。彼は貴重なキャリアをドブに流してしまったようだ。
出場停止を逃れるためのいい理由はなかったのだろうか、とシニカルで愛情あるファンらは嘆いている。Milwaukee BrewerのRyan Braun外野手の場合は、ルールの抜け穴を見つけてうまく切り抜けられたようだが。
さて、米国時間8月19日、Cabrera選手と関係者数名がインターネットを使って高度な策略を企てたという疑惑が浮上した。
New York Daily Newsの報道によると、Cabrera選手の関係者として知られるJuan Nunez氏は1万ドルを投じ、パフォーマンスを向上させる商品を掲載するウェブサイトを作成していたが、これらの商品は一切実在していなかったという。
このアイデアは、Cabrera選手が禁止薬物を摂取したのは本人の過失ではないことを証明するためのものだったと推測されている。米メジャーリーグベースボール(MLB)の労使協定には、禁止薬物であることを本当に全く知らなかった者を処分免除とする条項がある。
調査員らがサイトに関わったのが誰なのか疑問に思い聞き込みをしたところ、Cabrera選手が注意深く築き上げたピラミッドは一気に崩れ落ちたという。
New York Daily Newsは、Cabrera選手のエージェントがこの策略疑惑に関与した証拠はないと報じている。しかし問題のウェブサイトが、Cabrera選手の陽性反応を受けて関係者がMLBや選手会にアピールしたものの一部であることは明らかだ。
野球界の薬物問題に長年コストをかけてやたら執着してきた米政府調査当局が介入したとされる今、全ては極めて厳しい状況だ。
世界を手中に収めた人間が今度は全てをマウンドに捨ててしまったかもしれないとは、何とも不思議なものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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