米国水泳コーチ協会(American Swim Coaches Association:ASCA)の理事が、中国版Twitterと呼ばれる「Sina Weibo(新浪微博)」で個人情報を晒されるという事件が起きた。晒したのはGoogle Chinaの元トップ、李開復(Kai-Fu Lee)氏だ。
BBCによると、ASCAのJohn Leonard理事は、中国の葉詩文選手の泳ぎに疑問を呈していた。
Leonard氏は、女子の葉選手が米国男子代表のRyan Lochte選手よりも速かったことをいささか奇妙に感じたのだ。
これに憤慨した李氏は、Weibo上の1500万人のフォロワーの力を利用して、いまや「Zenkel措置」として知られる制裁をLeonard氏に加えた。このネーミングは、NBC幹部のZenkel氏が、職場の電子メールアドレスをGuy Adams記者によってTwitterで晒された事件にちなんでいる。
李氏の言い訳は、Leonard氏の自宅や職場の住所、電話番号、そして電子メールアドレス(そう、ここにはこだわりがあったに違いない)は全て一般に公開されている、というものだったから驚きだ。
李氏がWeiboに投稿した文面の一部がこれだ。
今では全てのオフィシャルな組織が葉詩文選手の潔白を認めている。John Leonard氏は謝罪すべきだ。彼のバックグラウンドと連絡先の詳細は以下の通り。彼にコンタクトするなら、礼節のある事実に基づいたアプローチを推奨する。
筆者は、つぶやきサイトで礼節や事実を求めるのは、選挙運動に礼節や事実を求めるようなものではないかと懸念している。
李氏は米国時間8月2日の午前に謝罪した。Pando Daily(パンダのサイトではない)は李氏がこのように説明したと報じている。
今朝、私は葉詩文選手に関するJohn Leonard氏の不当な主張を読んで激怒した。そして同氏の連絡先を調べ、謝罪を求める電子メールを送った。その後、Weiboに投稿し、他のユーザーも事実に基づく礼節ある電子メールを同氏に送るように呼びかけた。その際、電子メール以外の連絡先も併記した。
さらに、以下の美しいコメントも加えている。
不適切な行動をとったことと、それによってJohnに及んだあらゆる不都合について謝罪する。同時に、Johnも葉詩文選手への謝罪を考えてくれるよう、心から願っている。
残念ながら、痛い事実がまだ存在する。Yahoo Sportsの2日の報道によると、Leonard氏は引き下がる気はさらさらないという。
Leonard氏は、葉選手の泳ぎを「不愉快だ」と表現した。今でもこの姿勢を変えていないが、これよりも礼節ある言葉を使っている。
同氏はYahoo Sportsに対してこのように語った。「異常だ。中国の歴史を差し置いても、原因が何であるかにかかわらず、異常なことは指摘されるべきだ。そして、今回のことは今週ただ1つの異常なことだ」
Leonard氏はさらに、葉選手が1日の200メートル個人メドレーで速く泳ぎ過ぎないよう指示されていたのではないかとの考えを示唆した。そうすることで、男子の世界記録を超えることや、その他「不愉快な」ことが起きないようにするためだ。
李氏が情報を晒したことでLeonard氏にどれほどの迷惑が及んだかは不明だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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