SNSプロモーションの現場

無印良品がSNSで実践するブランド訴求力--消費者を理解する工夫の数々 - (page 2)

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POSだけを見ていても消費者理解は深まらない

--お客様とのコミュニケーションにおいて、御社にとってソーシャルメディアをどのように位置づけていらっしゃいますか?

 無印良品は商品範囲の広さに強みがあるので、過去20年間は商品範囲が広がれば顧客が増える、という図式で利益を獲得してきました。しかし、カテゴリキラーと呼ばれる企業が複数参入してきた昨今、全品プライベートブランドで展開する弊社のような業態の企業はあまりないと思います。リスクが高いうえに、利益率も低いですから。ではなぜ維持できているのかというとブランド力があるからなんです。

 こうしたことを背景に、今後獲得していきたいのは「個のシェア」か「顧客の時間」かとなった時に、無印良品は顧客の時間をとっていきたい。前者は、イノベーティブな商品で圧倒的にマーケットシェアを取っていくメーカー的発想、後者は個々のお客様の望むタイミングで物や事を提供するサービスマーケティングの部分になると思います。コモディティを基本に一般的商品を扱う良品計画では、この部分を大事にしていきたい。

 今まで小売業は、究極的な言い方をすると“売ったら終わり”という側面があったと思います。POSレジを見て、売れたカテゴリの商品数を広げたり、売れたから価格を下げたり、という商売をしてきた。でも現在は購入者=使用者かどうかもわかりませんし、POSだけを見ていても消費者理解は深まりません。そこで商品購入検討の時点と、使用/消費の時点の傾聴にソーシャルメディアを活用し、分析/可視化していきたいのです。

 ECサイトの「Muji.net」の会員は約330万人いますが、実は6割以上の方が頻繁にウェブサイトに訪れてはいらっしゃらない。だからこそ接触時間が大変長くなっているソーシャルメディアを活用して無印良品というブランドについて知ってもらおうと考えました。ここから店舗送客につなげ、コミュニティの運営により顧客関係を改善することで、結果的にネットの売上を上げていく。その重要な変数がソーシャルメディアだと捉えています。

押し売りはしない、大事なのは傾聴しお返しすること

--ソーシャルメディアを運営されるうえで、特にこだわっていらっしゃることは。

  • 無印良品のTwitterページ

 ソーシャルメディアをお客様とのコミュニケーションツールとして活用しているので、ここでのテーマは押し売りしないことです。そのためコンテンツを作る際は擬人化することに徹しています。特定の社員の誰かではなく、ブランドが目立つように気を付けています。

 また、お客様に傾聴してお返しすることも重要ですね。ファンを集めて一方的に情報を出すのではなく、返していくことがテーマです。

 FacebookやTwitterに投稿していただくと、店頭で使えるクーポンをプレゼントしたり、iPhoneアプリのデザインを募集したりするなどの企画を実施していますが、それが直接売上に結びつくわけではありません。重要なのはそういう施策をやることによって、上がってくるお客様の声を聞くことです。

 Muji.netは約10年前に立ち上げたのですが、当時からメールや投稿機能を使ってお客様とのコミュニケーションをとってきました。閉鎖的な場所ではありましたが、お客様のご意見を傾聴する文化はその頃から培ってきたものです。それをそのままソーシャルメディアに転用したのが現在ですね。

--実際の投稿はどんな風に運営されているのでしょう。

 Facebook、Twitterともに一人の担当者が対応しています。Facebookは長めのコンテンツも掲載できますから、いろいろと奥行きを持たせた展開ができるんですが、Twitterは140文字なのでセンスが必要ですよね。社内ではこれは「ツイートセンス」と呼んでいるんですが、Twitterにおけるトーン&マナーみたいなものは誰もがすぐにできるものではない。ですから担当者は簡単に交代できない。

 意味のないことをツイートしてもリツイートはされませんし、かと思えば情報拡散力が強いので、粗相があると一気に拡散してしまうので、Twitterはかなり気を遣っています。他方、Facebookは自社メディアの奥深く眠っているコンテンツを掘り出すだけでうまくいく場合もあるし、商品1個を紹介してもいいので、リスクは低いですよね。Twitterに比べると拡散力も弱いですから、そのあたりは使い分けています。

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