パナソニック、Q1は固定費圧縮などにより営業利益が黒字化

 パナソニックは7月31日、2013年3月期第1四半期(2012年4~6月)の連結決算を発表した。国内デジタルAV市場の需要低迷により、売上高は前年同期比6%減の1兆8145億円となったが、固定費圧縮などの経営体質改善により、営業利益386億円、当期純利益128億円の黒字となった。


常務取締役の河井英明氏

 営業利益、当期純利益ともに黒字化したのは2010年第3四半期以来とのこと。常務取締役の河井英明氏は「足下の業績は良くなっている実感がある。ただし第2四半期以降の不透明感は強く、慎重に見ている」と現状を話した。

 厳しい市況が続くAV機器については「2011年のアナログ停波を受け、薄型テレビ、BDレコーダーはいずれも厳しい状況」としたものの、テレビ、パネル事業については不採算事業を絞込み、事業全体の収益は前年から約250億円改善しているとのこと。セット事業が黒字に転じたほか、パネル事業も非テレビ分野が順調に推移していると言う。

 前年に比べ大幅な増収増益に結びついたのはオートモーティブシステムズだ。震災の影響を受けた前年に比べ、カーナビやカーオーディオなどが売り上げを伸長。売上高は前年同期比71%増の1907億円、営業利益は42億円となった。

 また、洗濯機、冷蔵庫、エアコンの白物主要3商品が海外で2ケタ成長となったアプライアンス分野も、売上高3%増の4314億円、営業利益374億円の増収増益を記録した。

 引き続き厳しいのは、光ピックアップや半導体などの売り上げが減少したデバイス分野、携帯電話などが期待通りに伸びず減収となったシステムコミュニケーションズ分野だ。

 携帯電話事業の現状について尋ねられると「スマートフォンは国内海外ともに苦戦している。携帯電話全体の売上高は、スマートフォンが入った分だけ伸びているが収益は赤字。ただ、良い商品は出していると思っているし、それなりの評価ももらっている。今後一層の事業強化策、改善策を考えている」と市場を分析した。

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