パナソニックは7月28日、2012年3月期第1四半期の連結決算を発表した。
売上高は前年同期比11%減の1兆9295億円、営業利益は同93%減の56億円となった。震災の影響による販売減と価格競争の激化、原材料価格高騰の影響を受けたとしている。通期見通しは据え置いた。
事業セグメント別で見ると、デジタルAVCネットワーク分野の売上高は6606億円(前年同期比21%減)、営業損益は160億円の損失となった。Blu-ray Discレコーダーなどが好調に推移したが、薄型テレビやカーエレクトロニクス、携帯電話などの製品分野で売上が不振だった。
家電などアプライアンス製品の売上高は3429億円(前年同期比6%増)、営業利益は336億円(同4%増)で、特にエアコンが好調だった。
地域別に見るとグローバルの全地域で減収となった。常務取締役の上野山実氏は「特に北米、欧州が厳しい。AV機器の需要そのものが低下している。一方メキシコ、ブラジルは2010年のワールドカップ需要の反動で2011年の販売が落ち込んだ。さらに東日本大震災の影響を受け操業を停止した茂原工場の生産規模縮小で、中南米へのテレビの供給が十分にできなかったことも苦戦した(要因)」と説明した。
同日正式発表のあった、中国ハイアールへの三洋電機白物家電販売事業の譲渡については「当初から計画していた通り、パナソニックと三洋電機の重複事業を整理したということ。雇用を確保するという点においてはしっかりした会社に売却できて非常によかった」とコメント。今後白物家電分野において、ライバル企業になること関しては「パナソニックは白物家電について技術的に圧倒的に強いものを持っている。日本でのシェアの優位性もあるため、世界の中でナンバー1を維持できる技術と力を持っていると思っている」と話した。
また、節電の影響から注目の高まるソーラー事業に関しては「第1四半期で前年同期比2%増。国内は東北、北関東で低迷したが、全国的に見ると補助金制度などの後押しにより需要が拡大している。第2四半期も昨今の節電状況からいって販売を十分に維持できると思っている。パナソニックの家電ルート、パナソニック電工の設備ルートを加え、販売の間口を広げる」と言う。
東日本大震災の影響については「売上高で1200億円、営業利益で600億円の影響が出ると見ている。ただ、ネガティブに見ていたが実績を見ると、思った以上に利益は上振れした」と分析した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」