コロラド州アスペン発--数百人の起業家とコンピュータ技術者が参加したディナーとディベートのイベントに業界を代表する2人の大物が登場し、火花を散らした。
Googleの会長Eric Schmidt氏と著名投資家のPeter Thiel氏は、FortuneのBrainstorm Techカンファレンスのオープニングナイトに登場し、社会におけるテクノロジの役割という一見無難なトピックを巡ってお互いに意見を戦わせた。モデレーター役を務めたFortuneのAdam Lashinsky氏は穏やかな進行を試みたが、多くは空振りに終わった。
Schmidt氏は、テクノロジと情報へのアクセスが全世界で生産性と生活の質をいかに高めたかという予想どおりの楽観的な意見で対談を開始した。Thiel氏はこれに対し、Googleの「宣伝活動担当大臣」として「素晴らしい仕事をしている」とSchmidt氏を称えることで応じた。
そして、対談は序盤から歯に衣着せぬ舌戦の様相を呈した。
Thiel氏は、ここ数十年で技術セクターはコンピュータとソフトウェアの分野で目覚ましい進歩を遂げたが、エネルギー革命の分野などでは「破滅的な」失敗も見られると異議を唱えた。
PayPalの共同創設者であり著名な自由主義者でもあるThiel氏は、Schmidt氏とGoogleへの追及を続け、Googleはイノベーションへの投資が不十分だと批判した。
Thiel氏は「Googleには、技術への効果的な投資についてアイデアがない」と聴衆に語り、隣に座っていたSchmidt氏は苛立ちと面白さが混ざったような表情を見せた。
Thiel氏は、ネバダ州での自動運転車など多数の実験的なプロジェクトについてGoogleを褒めたが、大手テクノロジ企業でイノベーションに対して意味のある再投資をしているのはAmazonだけだと確信していると述べた。
Thiel氏によると「Googleにはアイデアがない」という。
Schmidt氏はThiel氏の意見に何度も反発し、Googleが収めた数多くの成功、たとえば「Android」や最近世界で最も幅広く使われているブラウザである「Chrome」などを引き合いに出した。両者はこの対談中、ディベートの根本にある基本的な事実に同意できないようであった。
両氏は意見が違いそうにない議題であっても、互いの間に大きな隔たりを作っていた。Schmidt氏は教育の拡大と向上を主張し、一方Thiel氏は「教育バブル」が膨らんでいると訴えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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