Googleの「Nexus 7」タブレットによって、タブレットの購入時に価格とパフォーマンスを両天秤にかけて悩まなくても済む時代がやってきた。「Android 4.1」を搭載して一定水準のパフォーマンスを達成し、デザインについても満足いくものに仕上げつつ、価格を200〜250ドルに抑えた7インチタブレットなど、この他には存在していないだろう。
Nexus 7には拡張ストレージ用のスロットが用意されておらず、背面カメラも搭載されていないものの、パワフルかつ安価なタブレット上でAndroid OSの柔軟性をフルに味わうことができるのだ。
その通り。Nexus 7は巷に数多く出回っている黒いタブレット製品群にバリエーションをもう1つ追加するものだ(もっとも、「Google I/O 2012」カンファレンスでは背面が白の限定モデルが配布された)。とは言うものの、大半のタブレットが同じような見た目となっているなかで、Nexus 7は頑張ってオリジナリティを出していると言えるだろう。ひときわ目を引くのが、Acerの「ICONIA TAB A510」で採用されているものとよく似た、弾力性のある、皮製のように手になじむ感触を持つ黒色の背面である。そして、「nexus」と「ASUS」というロゴがエンボス加工されている。大したことには思えないかもしれないが、こういったちょっとしたこだわりをデザインに取り込むことで、Nexus 7は筆者が今までに使ったことのあるタブレットのうちで最も快適なものに仕上がっている。
次はベゼル(枠)だ。タブレットの画面を縦長の状態(ポートレートモード)にして見た場合、左右のベゼルはすっきりと幅の細い仕上がりになっているものの、上下のベゼルは筆者がいつも使っている7インチタブレットよりも太い幅となっている。ベゼルが太いと、タブレットの画面を横長の状態(ランドスケープモード)にして使用する際、親指を置くスペースができるという点で重宝するものの、筆者の好みからすると少し太すぎ、タブレットの形状が実際以上に細長く感じられてまう。
Nexus 7を手に持つとAmazonの「Kindle Fire」よりも明らかに軽い。そして、底面が斜めに面取りされており、銀色の縁取りがあるおかげで見かけ上は薄く見える。あるいは、少なくとも優美に見えるはずだ。Kindle Fireよりもずっと薄く感じたという人が筆者の他にもいることを考えると、スリムに見えるのが何らかの視覚効果によるものであることは間違いない。実際のところ、薄いと言ってもたったの0.04インチ(約1ミリ)のことなのである。
Nexus 7 | Samsung Galaxy Tab 2 7.0 | Amazon Kindle Fire | |
---|---|---|---|
重量(ポンド) | 0.74(約335g) | 0.74(約335g) | 0.9(約408g) |
横(インチ) | 7.8(19.8cm) | 7.6(19.3cm) | 7.4(18.8cm) |
縦(インチ) | 4.72(約12cm) | 4.8(約12.2cm) | 4.75(約12cm) |
厚み(インチ) | 0.4(約1cm) | 0.3(約0.7mm) | 0.4(約1cm) |
左右のベゼル(インチ) | 0.8(約2cm) | 0.76(約1.9cm) | 電源ボタン側:0.78(約2cm)、反対側:0.6(約1.5cm) |
筆者は通常の場合、ランドスケープモードでタブレットの特徴を紹介するのだが、Googleがホーム画面のモードをポートレートのみに変更したため、今回は自らのスタンスを変更して解説する。Nexus 7をポートレートモードにして正面から見た場合、1.2メガピクセルの前面カメラが上部ベゼルの中央に配置されているのが唯一の特徴と言える。そして右側面上部には電源/ロックボタン、そのすぐ下には音量調整用のボタンがある。また下側面には、右側にヘッドフォンジャックがあり、中央にはMicro-USBポートがある。さらに背面から見た場合、Micro-USBポートの上側に、スピーカーのスリットが水平方向に2インチ(約5.1cm)に渡って開けられている。
とは言うものの、これで全部だ。拡張ストレージ用のスロットもHDMI出力端子も背面カメラも搭載されていない。こういったものを排除することで、コストの削減が図れるだけでなく、タブレット初心者にとってNexus 7をずっと取っつきやすいものにしているわけだ。
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