日本のコンテンツは海外でどう消費される?--仏開催「Japan Expo 2012」レポート - (page 2)

水野政司(クエリーアイ)2012年07月11日 13時25分

皆でダンス、カラオケ熱唱も--商機はここに

 フランスらしいと言えるかもしれない場面は他にもあった。UBISOFTの「JUST DANCE 3」(Xbox360 Kinect対応ダンスゲーム/日本未発売)のコーナーではダンスを踊る一般来場者プレーヤーは2名なのに、その後ろで多くの人達が同じダンスを踊っていた。更に、日本のブラザーのブースでは「JOYSOUND」を展示し、来場者にカラオケを歌ってもらうコーナーを設けていた。楽曲はこの日のために用意したアニメの主題歌などだ。このコーナーでも曲を選んで歌うのは1人の来場者だが、周りにいる人達のほぼ全員が大合唱していた。担当者に話を聞くと、カラオケはフランスでは展開しておらずテスト・マーケティングとして出展したとのことで、相当な手応えを感じていたようだ。

 チャンバラ、ダンス、カラオケ、皆で楽しむ姿が印象に残ったジャパン・エキスポ。以前、「Wii」が欧米でも一世を風靡した頃に、あるフランスのゲーム関係者に聞いた一言が蘇った。「Wiiのコントローラーはフランス人が開発し、事業化できたはずだった。友達の家に集まって遊ぶのがフランス流だからだ。これを日本人が事業化し、フランス人が家で友達を呼び合って遊ぶことになるとは……」と。

 ここに商機があるのではないか。IT関連のデジタル・コンテンツ業界ではスマートフォン・コンテンツ事業のグローバル展開を押し進める動きが多く見られる。日本のコンテンツをそのまま輸出するだけでなく、彼らの趣向にあった形でコンテンツを提供できれば海外事業展開のジャンプ台となると思える光景だった。

 2007年以前のフィーチャーフォン時代にはパリの地下鉄でケータイを触っている人を見かける事はほとんどなく、ケータイ・コンテンツの海外進出は至難と思えた。それが今では、ほとんどの人がスマートフォンを触っているのだ。電車の中の光景は日本と同じだ。

 双方を考え合わせると、日本のモバイル・コンテンツ業界には追い風ではなかろうか。

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