新規gTLDの申請状況発表--新しいドメイン名はインターネットをどう変えるか - (page 3)

Paul Sloan (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年06月20日 07時30分

 .homeに加えて.casaと.GoDaddyも申請したGo Daddyの最高経営責任者(CEO)であるWarren Adelman氏は、「われわれは、インターネットの黎明期から.comの世界に生きている。.com以外のことを行うときはいつでも、流れに逆らって泳いでいるようなものだ」と話す。

Go DaddyのCEOであるWarren Adelman氏 Go DaddyのCEOであるWarren Adelman氏
提供:James Martin

販売スペースをめぐる争い

 このようなわけで、新参者が苦労して泳いでいくためには、Adelman氏の助けが必要になるのである。何と言っても、Go Daddyは世界中のドメイン名登録の半分以上を販売している。新しいレジストリは、理論的には、レジストラとしての役割も果たして、消費者に直接ドメイン名を販売することもできるが、注目を集めるためには提携やマーケティング面での支援が必要になるだろう。

 「販売スペースをめぐる争いが起きるだろう」(Schindler氏)

 この分野で最も急速に成長している新TLDの.coに注目してほしい。企業家のJuan Diego Calle氏は、コロンビアのTLD(.co)を商業化するための契約をコロンビア政府と締結するために、精力的に働いた。そして、Verisignを蹴落としてその契約を獲得した後、その拡張子のマーケティングに莫大な金額を費やした。

 Calle氏はウェブ上で大規模な宣伝活動を行っている。また、多数のイベントのスポンサーを務めてきたほか、Go Daddyと提携している。両社はここ2回のSuper Bowlでともに宣伝活動を実施した。その結果、2010年7月に一般向けに活動を開始した.CO Internetは現在、130万件の登録を抱えており、収益性の高い企業になっている。

 .CO Internetを支援した投資企業を通して13件の新しいTLD獲得を狙っているCalle氏は、「これに関わっている企業の多くは、Go Daddyが彼らのTLDを同社ストアに追加し、翌日に大量の売り上げがもたらされることを期待しているだけだ。彼らはそれに賭けているが、実現はしないだろう」と述べた。

 ほかに期待されているのは、大規模な既知のブランドが、これらの新しいドメイン拡張子のマーケティングを行い、テレビや屋外看板などでの広告を通して消費者の間での知名度を高めることだ。十分な数の企業が独自の拡張子(Drive.BMWやRun.Nikeを想像してほしい)で自社の宣伝を行うようになったら、.com以外の世界に注目が移るのではないか、という期待がある。そうなれば、たとえば、レストランがウェブサイトを開設しようとするとき、必ずしもWeHaveGreatFood.comを使用する必要はなくなり、代わりにWeHaveGreatFood.Restaurantを採用できるだろう。

 ケイマン諸島に拠点を置くSchilling氏にとっては、こうした状況は1990年代中頃に起こったことに似ている。当時、大企業が.comを含むドメイン名で自らのブランドを宣伝するようになり、.comはすべての企業、そして最終的にはすべての個人にとって最高のドメイン名であるという概念が育まれた。

 変化がもたらされるかもしれない。しかし、それには何年も、あるいは何十年もかかる可能性がある。その過程では、おそらく多くの新しいドメイン拡張子が失敗したり、不測の問題が発生したり、人気を得たTLDから儲ける方法を投機家が見つけたりするだろう。ただし、Schilling氏がこの事業を始めたときと大きく異なることが1つある。それは、インターネットはもう終わり、と言ってはねつけてしまう者は1人もいない、ということだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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