Go DaddyのライバルであるeNomを子会社に持つDemand Mediaは、26件の文字列取得のために1800万ドルを費やしていると述べた。さらに、比較的知名度の低い企業も多数、この争いに参加している。その中には、Schilling氏の新企業のように、このデジタル版の土地の奪い合いに参加することを目的として誕生した企業もある。
Donuts.coの共同創設者であるDan Schindler氏は、「われわれは賭けによって1億ドル以上を獲得した」と話している。Donuts.coは6月13日まで明かされていなかった307件の文字列を手に入れるために、ベンチャーキャピタル資金を調達した(同社の名前の後ろの拡張子が.comではなく.coであることに注目してほしい。これはなぜか。Donuts.comは、Schindler氏とそのチームが出せる金額よりもはるかに多くを求めたドメイン投資家が所有するドメインパーキングサイトだからだ)。
こうした企業が申請した文字列は、合計で1900件にのぼっている。しかし、13日の重大発表の後も、厄介な仕事が待ち受けていることは明白だ。Googleのようなブランドは、自分たちのTLDを簡単に取得できるだろう。なぜなら、それは彼らの商標だからだ。申請されたほかのブランド名については、論争が引き起こされることは間違いない。国家が抗議する可能性もある。
Schindler氏は、「遅延が散りばめられた地雷原のようになるだろう」と予測する。
さらに、重複の問題もある。例を挙げよう。Schilling氏とGoogleはいずれも.lolを申請している。ほかにもいるかもしれない。Schilling氏は.homeもほしがっているが、この文字列はGo Daddyの購入リストにも入っている。これでもまだ2件だ。.musicや.free、.cars、.gameなどといった汎用的な名前の多くで、重複が発生することは間違いない。
これは驚くには当たらない。(ドメイン名を推測するときのような)文字列の選択には直感も少しは必要だが、決して行き当たりばったりに行うわけではない。たとえば、Donuts.co.は専有ソフトウェアの力を借りて、Googleで人気の高い検索フレーズを含む25のパラメータやキーワード入札のトレンドを調査することによってリストを作成した。
こうしたことによって、何カ月にも及ぶ水面下での交渉が開始されるのだろう。ICANNは当事者たちが解決に向けて努めるように求めている。失敗に終わった場合にのみ、ICANNは対象となるドメイン名の競売を行う。Googleのような大物ならば狙っているものを手に入れられる可能性が高いが、絶対とは言えない。小規模な企業でも、たとえば、ライバルと手を結んだり、より多くの投資家を連れてきたりするかもしれない。
Schilling氏は、「こうしたドメイン名のうち、いくつかについては諦めなければならないかもしれない。だが、われわれはすべてを競売に持ち込めるよう努めるつもりだ」と言う。
こうしたことがすべて落ち着いた後でも(2013年まで持ち越されるものが多いだろうが)、新しいレジストリには片付けるべき多くの作業と、成立させるべき取引があるだろう。考えてみてほしい。既に使用されている22件のgTLDの大半は、現在1億件以上のドメイン名を抱える.comという巨人の影でしかない。読者の中に.proや.museumを使っているサイトを知っている人はいるだろうか。
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