オンラインも視野に入れたサラウンド戦略へ--dts Japan新社長小玉氏に聞く - (page 2)

堀江大輔(D☆FUNK)2012年06月21日 09時30分

海外ではサラウンド放送への技術提供も

--アメリカや中国では、日本とは異なるDTSのサービスがあるのですか。

 アメリカや中国では放送にもDTSの技術「DTS Neural Surround」が使われていますね。例えばアメリカではNFLのスーパーボウルやNBAの試合中継が、DTSの技術を使ってサラウンドサウンドで放送されています。

 中国でも、FMラジオによるDTSのサラウンド放送が始まりました。中国では面白い浸透の仕方をしていて「DTS CD」というサラウンドが聞けるCDが普及しているんです。他国ではほとんど見かけることはないのですが、中国では市民権を得ています。

 このDTS CDは中国ではステータスの一つになっていて、ブランディングがすでにできあがっているんですね。

 これらのサービスは、各国の環境や背景があってこそ実現しているもので、そのまま日本で展開できるわけではありません。ただこうした新サービスを常に用意しておいて、インフラが整った時、すぐにサービスを提供できる準備はしておかなければなりません。適切なタイミングで新しいサービスを提供する。あんまり早くてもダメだし、遅くてもダメだし、タイミングはとても大事ですね。

  • 「UltraViolet」にも採用されている

--アメリカで実施されているコンテンツ配信サービス「UltraViolet(ウルトラヴァイオレット)」にも参加していますよね?

 UltraVioletに関しては、音の部分でパートナーとして参加しています。エンコーダ、トランスコーダ等、UltraViolet規格に準じた作成ソフトなどに対応し始め、DTSでウルトラ・ヴァイオレットファイルが作れようになっています。

 コンテンツ制作の現場では、いかに簡単に作ってもらえる作成ツールを開発できるかがとても大切です。Blu-rayにDTSが90%近く採用されているのも、簡単に作れる、使いやすいというのがポイントの一つでした。ウルトラ・ヴァイオレットのコンテンツ作成でも、プロの方に受け入れやすい作成ツールとなっています。

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