2012年のElectronic Entertainment Expo(E3)が、年次開催の同トレードショーの歴史で最もニュース価値の高いものの1つだったと記憶される可能性は低い。だが、衝撃的なニュース(またはプレイせずにはいられない多数のゲーム)はなかったかもしれないが、今後数年にわたってどのようなゲームやインタラクティブエンターテインメント体験が登場するのかを鮮やかに描き出す、いくつかのトレンドを見て取ることはできた。
ゲーマーたちは、新しいコンソールの発売間隔が延びているという考えに慣れるべきだ。「PlayStation 3」と「Xbox 360」はいずれも発売から5年以上が経過しているが、2012年のE3で次期バージョンの登場がほのめかされることはなかった。任天堂の「Wii U」は、初代「Wii」のコントローラやアクセサリを利用しているほか、工業デザインやユーザーインターフェース(UI)のデザインもほぼ同じであり、革命というより進化であると言える。
だが、E3を訪れたゲーマーとプロの業界ウォッチャーのいずれもが、それで問題はないと考えている。新作のゲームは、2011年あるいは2010年と比較して著しく向上しているとは言いがたいが、それでも素晴らしい。そして「Kinect」のような新しいアクセサリや、「SmartGlass」やストリーミングライブテレビのような新機能の追加は、高速化したプロセッサやGPU以上に出費に見合う価値を提供する。
ロサンゼルスコンベンションセンターでは、宣伝用Tシャツを放り投げれば必ず、人気ゲームの続編やスピンオフ、映画とタイアップしたゲームに当たるという状況だった。「Halo 4」や「Call of Duty: Black Ops 2」、「Tomb Raider」の新作、「God of War: Ascension」、Wii U版の「Super Mario」、そして「Forza: Horizon」などが、大規模な記者会見や展示会場内の最も大きなブースで主役の座を占めていた。われわれは過去にこの状況を嘆いたことがあったが、ヒットが約束されたこのようなゲームのおかげでゲームパブリッシャーが資金を得て、野心的で独創的なプロジェクトに時折取り組むことができるのも事実だ。
とはいうものの、Halo 4のルックアンドフィールは最近のほかのHaloゲームと本当に良く似ており、新しいGod of Warゲームはまったくもって派生物であるという印象をぬぐえない。これらの優れたシリーズゲームにいくつかの新しいアイデアを加えて、新風を吹き込むことはできないものだろうか。
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