カリフォルニア州レッドウッドショアーズ発--Oracleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Ellison氏は米国時間6月6日午後、「Oracle Cloud」というシンプルな名称がつけられた、パブリッククラウド分野における試みを発表した。
Ellison氏は、「Oracle Cloudはずっと前から計画されていたものだ。われわれは7年近く前に、すべてのアプリケーションをクラウド向けに再構築する決定を下した」と述べた。
Ellison氏は、この事業が以前、「Project Fusion(プロジェクトの融合)」という名称だったが、Oracleの競合他社のうちの1社がそれを「Project Confusion(プロジェクトの混乱)」と呼んだことを認めた。
さらに、Ellison氏は具体的な企業名を挙げてはいないが競合他社を挑発し、Oracle Cloudは顧客が必要とするものすべてを備えた本格的なクラウドソリューションで、プラットフォームやアプリケーション、カスタムインフラストラクチャ、ソーシャルを対象とするサービスが含まれている、と主張した。
Ellison氏は、「ソーシャルに対応したアプリケーションを持っていることは、ソーシャルネットワークを持っているという意味にはならない」と述べ、それはパズルの一部にすぎないと説明した。
Oracleは「ソーシャル関係管理」と呼ばれることを実現するためのソーシャルサービスを手に入れた、とEllison氏は続けた。同氏によると、それは顧客関係管理とは少し異なり、人々が将来的に顧客になるように、人々が顧客になる前から連携して関係を構築することを意味するという。
Oracle Cloudは、データベースやJava開発者、モバイル、分析などを対象とする専用サービス向けに、標準に基づく企業クラスのアプリケーションを100種類以上備えた状態でローンチされている。それらの業界標準にはSQLやJava、HTML5が含まれる。もちろん、Oracle CloudはOracleのデータベース、すなわち「Exadata」と「Exalogic」で運用される、とEllison氏は付け加えた。
Ellison氏は「あなた方のクラウドデータが、他の顧客のデータと混ざってしまうことはない」と述べ、「ここが、われわれのクラウドと、市場の既存クラウドとの大きな相違点だ」と説明した。
Oracle Cloudは「地球上で最も包括的なクラウド」であると宣伝されているが、同クラウドについてEllison氏が強調する別の主要な要素として、顧客が享受する自由度の高さがある。
同氏は「近代的なクラウドというものは、顧客がアップグレードの時期を決定できるようになっているべきだとわれわれは考えている。つまり、ソフトウェアのバージョンアップに際して、クラウドベンダーがアップグレード時期を決定するものではない」と述べたうえで、「われわれは、顧客がアップグレードの時期をある程度まで決定できるようにするつもりだ」と続けた。
さらに同氏は、「業界標準」に基づいたテクノロジを構築するという自らの信念を繰り返したうえで、Flashについて、同社のクラウドベースインターフェースがAppleの「iPhone」や「iPad」で実行できなくなることを理由に対応していないと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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