いまや世界人口の15%に迫る利用者を抱えるFacebookは、繁栄しているメディア事業だ。前四半期だけでも、同社は10億ドルを超す売上高を記録した。そのほぼすべてが広告によるものだ。
しかし、大手広告代理店の関係者に話を聞くと、売上高ははるかに巨額になった可能性もあるようだ。
このことは最近のFacebookを脅かす諸刃の剣となっている。同社は自らの成功の犠牲になっているのだ。Facebookはプロセスを自動化し、テクノロジを利用して効率を高めている。しかし、人間を相手にする場合は勝手が異なる。大手広告主たちは、手を握り合うことを求める愛情に飢えた人々だ。だが、多くの広告主によると、Facebookには電話に応答する人がおらず、料金を受け取ってくれる人すらいないという。
例えば、Tribal DDBの米国事業担当共同プレジデントであるMike Parker氏はFacebookに対して次のような不満を述べている。「非常に長い間、われわれは一緒にビジネスをするためにFacebookに電話をかけているが、誰も応答しない。Facebookは消費者体験に特に力を入れているが、売上高や広告主との提携はそれほど重点的に取り組んでいない」(Parker氏)
デジタル広告代理店Mediasmithの最高経営責任者(CEO)であるDavid Smith氏は、「Facebookは単に関心がないだけに思える。彼らはいまだにサービスを拡大しようとしている。疑問なのは、彼らは大金を稼ぎたくないのだろうかということだ」と述べている。
世界最大規模のインタラクティブ広告代理店の1社に属する別の幹部も、匿名を条件に取材に応じ、同様の不満を示した。「Facebookにリーチがあることは分かっている。問題なのは、1万ドルを支払おうとしているクライアントと、1000万ドルを費やそうとしているクライアントに対して、Facebookの対応に違いがないことだ」
Facebookは新規株式公開(IPO)に向けて突き進んでおり、これは記録に残る一大イベントになる可能性が高いが、ビジネスモデルに関するこの種の発言は、IPOに向かう同社が欲しているものではない。
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