IPOを目前に控え、広告主は、Facebookでの広告から得られる利益についても懸念を抱いている。その疑問を提起するThe Wall Street Journal(WSJ)の記事によれば、ソーシャルネットワークへの投資から得られる利益について、一部の広告主が疑念の声を上げているという。投資家たちが評価額に見合った報酬を与えるべきか、それを拒否するべきかを間もなく決定しようとしている今、このことは特に重要だ。
Facebookが努力していないわけではない。この数カ月、同社は大手ブランドに対する訴求力を高める取り組みを行っている。例えば、Facebookは2012年になって、同サイト上でいわゆるスポンサー記事を展開して、ブランドがファンやその友達のニュースフィードに表示される記事を作成できるようにした。さらに、Facebookは2月、ニューヨークの自然史博物館で「Reach Generator」を華々しく披露し、大手広告主に売り込んだ。また、Facebookは同社と代理店との関係を向上させるために、広告業界の支援活動を専門とするグループも創設している。このプログラムは1年前から続いている。
しかし、Facebookは企業文化の衝突を乗り越えて進んでいくのに苦労している。
ブランドはFacebookとの連携を強めたいと考えている。両陣営が協力して創造的な提案を生み出せるように、さらなる柔軟性を求めている。少なくとも現在のところ、Facebookからの回答は「ノー」だ。
これは、後を引く問題であり、将来的にFacebookの苦悩の原因になる可能性がある。こうしたすれ違いが影響を及ぼしていることを示す兆候は既に現れている。金融調査会社のITGはIPO前の分析で、Facebookに広告を掲載したことのある21人のメディアプロフェッショナルを調査した。その半数近くはFacebookへの年間の支払額を増やすことを計画しておらず、12%は支払額の削減を予定している。
その理由を理解するのは簡単だ。例えば、ある代理店の幹部は膨大な金額が絡む複数の案件でFacebookと協力しようとしたが、最終的にあきらめたときの体験を述懐した。同幹部によると、同氏が代理人を務めるブランドの「ファン」にメッセージを届けるためのさまざまな方法について検討する段階になったとき、Facebookの担当者が全く意見を変えようとしなかったため、交渉は決裂したという。
結果として、同幹部がFacebookでそれらのクライアントのために費やす金額(彼らのメディア予算の5~15%)にも、変更の予定は全くない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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