UPDATE Googleの最高経営責任者(CEO)Larry Page氏はOracleとの「Android」特許訴訟の公判で証言を行ったが、Oracleの主任弁護士David Boies氏から質問を受けているときのPage氏は、決して余裕のある様子ではなかった。
Page氏は時にあいまいな言動を見せ、米国政府がMicrosoftを訴えた1998年の独占禁止法訴訟で、Microsoftの共同創業者で元CEOのBill Gates氏が今回と同じBoies氏と交わした、複雑な技術的問題についてのやりとりを思い出させた。例えば、Gates氏は、「懸念される」「尋ねる」「Microsoft以外のブラウザ」といった言葉を使ったBoies氏に対し、何を言おうとしているのかわからないと述べていた。
Page氏のこの日最大の逃げ口上は、GoogleにとってのAndroidの重要性について、Boies氏から尋ねられたときの回答だった。Page氏はAndroidが非常に重要であることを認めながらも、「それが決定的に重要であったとは言わないだろう」と述べて、表現の度合いを弱めた。だが、Googleの取締役会に対し、Androidが決定的に重要なプラットフォームだとの言葉が伝えられていたとしても、Page氏は驚かないだろう。したがって、回答の意味は「決定的」という言葉の定義によって変わってくるのだ。
Page氏はまた、「Java」のAPIを使用しながらSun MicrosystemsまたはOracleとライセンス契約を結んでいないGoogle以外の企業の例を挙げられるかどうか尋ねられたとき、その件について「(自分は)専門家ではない」と答えた。確かにJavaのAPIの使用についてライセンスを取得しているのが誰かということについて、同氏は専門家ではないが、Page氏はその答えを恐らく知っているはずだ。
Page氏は、Googleの従業員Tim Lindholm氏が送信元の、Javaを使用するためのSunとの交渉について言及した2005年の電子メールについても質問を受けた。2005年からGoogleで働いているLindholm氏は、それ以前の7年間はSunに在籍し、優れた技術者としてDistinguished Engineerにも認定されていた人物だ。実際、Lindholm氏はSunで開発当初のJava担当チームに所属し、Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)のアーキテクトを務め、「Java Virtual Machine」仕様の共同策定者でもあった。同氏は2010年に送信した別の電子メールの中では、「Javaに代わってAndroidと『Chrome』に利用できる技術があるかどうか調べる」よう、Googleの2人の共同創設者から同氏のチームに要請があったと記している。
Boies氏はPage氏に対し、2005年のメールの「Tim」はTim Lindholm氏を指しているのかと尋ねた。
それに対し、Page氏は「どのTimを指すのか、自分にはわからない」と答えている。
Lindholm氏がGoogleに入社したのは2005年であること、Page氏はこの時期すべての新しい従業員に対して面接を行っていたこと、Lindholm氏が非凡な技術者であること、さらにこの7年間かなり職位の高い従業員としてAndroidの開発に携わってきたことを考え合わせると、Page氏はメールの「Tim」がどのTimなのか知っているはずだ。
Page氏は証言の中で、Lindholm氏については単にその存在を知っているだけで、それほど親しいわけではないと主張した。Googleには、Andy Rubin氏の下でAndroidの開発に携わっている非常に優れた技術者が数多くいるため、Page氏はLindholm氏と「親しい」わけではないのかもしれない。もちろん、この回答の意味も「親しい」と「知っている」という言葉をどのような意味に取るかによって変わってくる。
Lindholm氏は19日に証言を行う予定だが、その際にBoies氏から質問を受けることになっているため、誰が誰と親しいのか、何がいつ行われたかといったことがさらに明らかになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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