Appleの株価はこの数年間で大きく上昇しているが、BTIG ResearchのアナリストWalter Piecyk氏は、Apple株の投資評価を「Buy」(買い)から「Neutral」(中立)に引き下げ、大方の評価とは異なる判断を示した。
Piecyk氏の判断は、Appleの株価が続騰すると考える多くのアナリストに異を唱えるものだ。だが、Piecyk氏は、Appleが好調な第2四半期決算を発表すると予測しながらも、Appleが自らの成長を阻害しかねない3つの大きな問題に直面していると考えている。その問題とは、料金後払いが原則となっている携帯電話業界で起こっている変化、「iPhone」の値下げの可能性、そしてAppleが2012年中に「革新的な製品を市場に」投入しない可能性の3つだ。
Appleの株価の動きにいくつかの疑問を呈したPiecyk氏は、かなり難しい立場に立つことになる。というのも、Appleの株価は今後も上昇するというのが業界の大方の見方だからだ。また、以前にアナリストらが懸念を示したときにも、Appleの株価は予測をはるかに上回る好調な動きを示した。過去わずか5年間で、Appleの株価は565%近く上昇して631ドル90セント(本稿執筆時点)となっている。
しかし、Appleにとって最大の問題はiPhoneをめぐる通信事業者との関係だとPiecyk氏は言う。同氏は、投資家向けに発表した米国時間4月9日のレポートの中で、AppleがiPhoneに付けている600ドルという価格は、そろそろ通信事業者にとって高すぎるものになるのではないかと論じている。通信事業者は、より多くの消費者を自社のサービスに加入させるため、iPhoneに対して多額の販売補助金を出している。かつてはどれほど費用をかけても顧客を増やすことが通信事業者の目標だったが、そのことが「今では採算性と株価の値動きに悪影響を与えている」というのがPiecyk氏の意見だ。
また、iPhoneに関する施策の変更に伴うリスクは、数年前ほど大きくはないだろうとPiecyk氏は予測している。同氏は、米国を拠点とする多くの携帯電話事業者がApple以外の製品を積極的に販売している点を指摘し、Appleの力が大きくなり過ぎることに事業者が懸念を示している証拠だとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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