急増する新興企業向け「アクセラレーター」の今後--Y Combinatorトップが語る - (page 2)

Paul Sloan (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年03月30日 07時30分

 ニューヨークのTechStarsの創設者兼マネージングディレクターであるDavid Tisch氏によると、TechStarsはシリコンバレーを意図的に避けてきたという。シリコンバレーはY Combinator だけでなく、500 Startupsのような大規模プログラムの本拠地だ。

 「シリコンバレーの外の、ニューヨークやボストン、ボルダーのような拠点には面白いものが山ほどある。こうした都市のエコシステムは強力で、成長し続けている。こうした都市を見過ごすのは愚かなことだ」(Tisch氏)

 それは確かに正しい。優れた新興企業はあらゆるところで出現している。しかしGraham氏は、地理的な要素に基づいてアクセラレーターを設立するのは理にかなったことではないと言う。

 それは、野心的な起業家のグループ(通常は2人から3人のチームからなる)であれば大概、すべての優れたプログラムに応募するからだ。これは、高校生が場所には関係なく、良い大学すべてに出願するのと同じだ。

 「この段階では、こうした企業すべてが機動性に優れている。わずか2人のメンバーとノートPCさえあれば、どこにでも行ける」(Graham氏)

 別の言い方をしよう。Y Combinatorのライバルとなるプログラムをセントルイスで始めるのは、セントルイスの状況を評価している人には賢い判断に聞こえるかもしれない。しかしGraham氏にとっては、それは無意味だ。

 Graham氏によれば、新興企業が6人程度の規模になると、資金調達の点でやはり立地が影響してくるという。ベンチャーキャピタルが遠くに出向くのを好まないという事実に変わりはなく、シリコンバレーが今でも価値の高い場所なのはそのためだとGraham氏は語る。

 「ベンチャーキャピタルに、イーストベイ(サンフランシスコ湾の東側)は遠すぎると言われたことがある」(Graham氏)

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