新しいインターネット経済では、コードが王様だ。時間を割いてプログラミングの基本を学ぶことは、ビジネスや起業で成功するための助けになるだろう。
筆者は数日前、野心的な起業家から、以下のような簡単な質問を含む電子メールを受け取った。
「成功する新興企業を作り上げるためには、コーディングの専門家になる必要があるのか。それとも、自分に代わって技術的な仕事をしてくれる専門家を雇うことは可能なのか」
この人物はビジネスマンおよびセールスマンとしての成功を示してきたが、起業の魅力にとりつかれ、それを振り払えずにいる。彼は自分の会社を興したいと考えていた。
彼が聞きたがっている答えは分かっていた。「インターネット事業を始めるのに、コーディングの知識は必要ない!起業は可能だし、実際に行われてきた!」というものだ。しかし、筆者はそう答える代わりに、次のように伝えた。
「コーディングすることは必要だ。その理由は、プログラミングに習熟する必要があるからではなく、技術経験を持つ創設者の方が技術職の従業員に慕われる可能性がはるかに高いからだ」
アイデアを考え出し、それを構築する技術職の人を雇うという時代は終わった。そして、そのような時代が終わって久しい。「Codecademy」などのサービスのおかげで、コードの学習はかつてないほど容易になっている。このことは、インターネット新興企業を構築したいと考えている起業家に特に当てはまる。
インキュベーターでありシードベンチャー企業のY CombinatorのパートナーであるHarjeet Taggar氏は、「投資家となった現在でさえ、コードを記述する能力が自分の仕事にどれだけ役立っているかということに驚かされる」と話す。ただしTaggar氏は、エンタープライズセールスといった一部の業界では、消費者向けアプリケーションよりもコーディング以外の作業がより多く必要になると指摘し、先ほどの答えに条件を付けた。
「もしあなたがビジネスの共同創設者なら、記憶にとどめておくべき重要なことが2つある。1つ目は、少なくともいくらかの時間を費やして、コードの用語を理解できるようになることだ。2つ目は、自分のスキルを活用できるアイデアを選ぶことである」(Taggar氏)
この話題は筆者にとって個人的に関係がある。筆者はこの2カ月間、米CNETでのコラムに加えて、新興企業への取り組みにも時間を費やしている。その大半は、コーディング作業とコーディングの学習のために使う。ただし、筆者はコーディングに熟達してはいない。筆者が1時間かけて構築するものを、筆者の共同創設者は5分で完成させることができる。
しかし、それで問題はない。筆者が専門家になる必要はない。筆者の仕事はリサーチとユーザー獲得、パートナーシップ、そして新興企業のビジネス面に注力することだ。プログラミングに関する筆者の担当は、基本的に以下のような主要タスクに要約できる。
最後のポイントは最も重要だ。筆者は要望のあった機能の実装がいかに難しい作業になるかを理解することで、自社の時間をより適切に優先順位付けできるようになった。機能や製品が動作する仕組みを本当に知る唯一の方法は、コードを理解することだ。
野心的な起業家に対する筆者のアドバイスはシンプルだ。コーディングの仕方を知らないのなら、学習しよう。専門家にならなければいけないと心配する必要はない。努力して、基本を学ぶだけで十分だ。コードを知り、理解することで、あなたは今よりもはるかに強い起業家になれるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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