成長するスタートアップを辞める理由--gumi代表の國光氏とCTOの堀内氏 - (page 2)

國光:モバイルソーシャルゲームの世界でFarmVilleやドラゴンコレクションのようなエポックメーキング的なゲームがいつ出てくるか。予想は何となくできて、2012年の4月とか5月に方向性が決まるゲームがでて、それをベースに改善されたゲームがでる時期、ずばり2012年9月頃じゃないかと考えています。ということは(同じように考えて2年半後の)2015年の3月頃には勝負は終わる。

 戦いのキモになるのはヒットのコンテンツを作れるチームをいくつ持てるか、ということ。今、Zyngaが3500人ほど。だから勝負が決まる前の年、2014年の末に最低3500人は必要。逆算して今年中に国内で500人、2013年末には1500人は必要。

--こういう急激な成長を前に、社員の役割が変わってきたということですね。

堀内:採用の時に一気に100人レベルまで増やしたことがあったんです。いわゆる「ザル採用」ですね。どんどん採用した結果、途中で辞めちゃったり。ああ、見極めが必要だったなと感じることもありました。

--1番近くで見ていた堀内さんにとって、國光さんってどんな方でしたか。

堀内:本当に尊敬してます(笑)國光さんは「こうや!」と決めたことは突き通す。一時期本当に会社が危険な時期があったんです。会社を存続させるためには受託といった選択肢もあったんですが、國光さんは「やらん」と。なんとかなるだろう、と思わせてくれた。あの頃はハラハラドキドキしていましたね。

--会社に残る、という選択肢はなかったんですか?

堀内:研究開発という柄でもないですしね。幸いなことにストックオプションではなくて原株を持っていたのが後押しになったのは事実です。ストックオプションだとなくなってしまう。たとえばシリコンバレーでは途中で辞めたとしても勤続年数に応じてストックオプションが提供される仕組みがあったりするんですが。

國光:会社にとって一番大切なのは志。それに向って共感できる幹部、社員、株主、取引先、ユーザーが集まることが大切。gumiにとっての志は「ソーシャルゲームで世界一を獲ること」新しい産業で世界一を獲る会社が出てきた時に、日本はもう一度、自信と元気を取り戻せると思います。

 僕らは日本の産業の新しいロールモデルを作りたいと思っています。これまでの日本は競争がゆるすぎた。猛スピードで走りながらその瞬間、瞬間で会社にとっての「最善」とは何かを考えて行動する。今回の出来事もその1つなんだと思います。堀内さんの今までの頑張りに報いるためにも、何としても世界一を獲ります!

--堀内さんは今後はどうされるんですか。

堀内:エンジニアをやってていつも思うんです。夢を作る人はすばらしいな、と。エンジニアが生き生きできる世の中になって欲しい。私は「FlipClip」というサービスを手がけていた時、國光さんに出会ってgumiに移りました。

 当時、サーバの運用は自社だったんですがやっぱり負荷に耐えられず落ちてしまった。そんな時、mixiアプリのリリースで初めてAmazon Web Servicesを使ったんです。そしてエンジニアが負荷に耐えてスケールする仕組みを作ることができた。この時サービスをコントロールする喜びを知ってしまったんですね。これをもっと追求したい。

 これからは業界を豊かにするための活動をしていきたいと考えています。まだ次のステップはお話できませんが、早々にお知らせできると思います。


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