欧州委員会(EC)はビデオ通話分野で独占状態が発生する可能性を危惧して、MicrosoftによるSkype買収に制限を課すべきだった、とCiscoは述べた。
Ciscoは、欧州連合(EU)が両社の合併を承認したことには反対しないが、制限の適用を望むと述べた。同社は「WebEx」ソフトウェアでSkypeおよびMicrosoftと競合する。
Ciscoのビデオおよびコラボレーショングループ担当シニアバイスプレジデントであるMarthin De Beer氏はブログ投稿の中で、次のように述べた。
もし同じ通信キャリアを利用する相手にしか電話をかけられなくなったら、あるいは電話機が特定のブランドにしか通話を発信できなくなったら、どれだけ面倒なことになるか想像してみてほしい。Ciscoはビデオ通信にこうした未来が訪れることを回避したいと思っている。そこで米国時間2月15日、ECによるMicrosoftとSkypeの合併の承認について、EU裁判所に不服申立てをした。欧州のVoIPサービスプロバイダーであるMessagenetも参加した。
われわれは、軽々しい考えで今回の行動を起こしたわけではない。われわれはECを尊重しており、Microsoftを顧客、サプライヤー、パートナー、競争相手として高く評価している。Ciscoは両社の合併には反対しないが、ECは1企業がビデオ通信の未来の制御を目論むことを回避するために、より強力な標準ベースの相互運用性を確保する条件を設けるべきだったと考えている。
Microsoftの広報担当は以下の声明を発表して、Ciscoに反論した。
ECはSkypeの買収について、綿密な調査を実施し、Ciscoも積極的に関与させていた。この案件は36ページにわたる決定文書の中で無条件で承認されている。われわれは、ECの決定が支持されることを確信している。
Ciscoは具体的には、Microsoftが競合他社を閉め出すプロプライエタリなプロトコルを使えなくするために、ビデオ通話の相互運用性に関する標準の策定を求めている。Ciscoはこれらの標準が持つ効果を間近で目撃した経験がある。CiscoがTandbergを買収したとき、規制当局が承認の1つの条件として提示したのは、同社のビデオ会議のコードを公開することだった。現在、Polycomなどの企業が提供するテレプレゼンスシステムは、Ciscoの機器と円滑に連携することが可能で、市場は大きく変わった。
企業として考えた場合、Ciscoの最大の懸念の1つは、MicrosoftがSkypeを同社のユニファイドコミュニケーションプラットフォーム「Lync」と排他的に統合することだ。SkypeとLyncがそのように統合されると、「Skypeの7億人のアカウント所有者にリーチしたい企業が締め出されてしまう可能性がある」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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