必然的に、Firefoxのロードマップでは、同ブラウザに関して多くのことが計画されている。
第1四半期、MozillaはFirefoxの新版リリースに合わせて、アドオンを互換性があるもととしてデフォルトで扱うようになる。6週間という高速リリースサイクルで提供されるブラウザアップグレードで多くの破損に悩まされることのないようにするためだ。アドオンは複数のブラウザ間での同期にも対応する予定だ。
第2四半期には、タッチ操作を想定した「Windows 8」の「Metro」インターフェース向けFirefoxの概念実証や、Mozillaのウェブアプリマーケットプレイスとの統合、高速リリースサイクルで提供されるFirefox新版への円滑なアップグレードを可能にするサイレントアップデートの導入、Firefoxを初期状態に戻す復元オプションの追加、起動時間およびスクロールの改善が予定されている。
2012年後半には、MozillaはMetro向けFirefoxのアルファ版とベータ版、アップデートを複数のソーシャルネットワークに投稿する「Firefox Share」(以前の名称は「F1」)、新しい「Australis」ユーザーインターフェース、次世代の「IonMonkey」JavaScriptエンジン、Chromeが既に搭載しているような統合された翻訳サービス、Safariのリーダーモードに似た機能、ビルトインのPDFビューアのリリースを計画しており、多くのタブを開いているときのパフォーマンスも改善する予定だ。
高速リリースプログラムの下では、さまざまな新機能を完成した順に少しずつ組み込んでいくことが可能である。
全般的に見て、Firefoxユーザーはブラウジング基盤の強化を期待していいだろう。
「レスポンスの良いユーザー体験の価値や、安定性とパフォーマンスに優れたプラットフォームがウェブ開発者にとって持つ価値を、Mozillaは理解している。2012年、強化された献身的なチームは、ユーザーが直面するFirefoxのあらゆるレスポンス問題を一掃し、開発者が自分のアプリに求める、少ないメモリコストでの高い安定性の実現を保証する」(Mozilla)
Firefoxについての野望も壮大なものだが、少なくともMozillaはそこに強固な地盤を持っている。ただし、ウェブアプリのエコシステムは別物だ。エコシステムが成功するためには、ソフトウェアを提供する開発者とそれを購入するユーザーが必要である。
ブラウザ市場のすべてのライバルが強力なウェブ基盤という夢を追い求めているという点において、Mozillaは有利な立場にいるが、URLを通してたどり着くウェブサイトとマーケットプレイスを通して購入するウェブアプリの間には大きな違いがある。ただ、読者の皆さんには、Mozillaがこの困難な目標を達成できないだろうと言い切る前に、IEが90%以上のブラウザシェアを誇った時代があったことを思い出してもらいたい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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